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“リズムと即興”。切り紙絵に向き合うマティスの精神が表れた『ジャズ』の魅力(連載第2回)

2024.03.12

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「マティス 自由なフォルム」展がもっと楽しくなる短期集中連載。

5月27日まで国立新美術館で開催されている「マティス 自由なフォルム」展。マティスが後半生に取り組んだ「切り紙絵」の作品を中心に、これまでとは異なる視点で紹介される、とてもユニークで貴重な展覧会です。大きなサイズの作品や大掛かりな展示も圧巻。作品の見どころを、美術展プロデューサーの今津京子さんが解説します。連載一覧はこちら>>

第2回 『ジャズ』「マティス 自由なフォルム」

文/今津京子(美術展プロデューサー)

どこかで一度はこの作品をご覧になっているのではないでしょうか。切り紙絵を元にステンシルという手法を使って印刷された挿絵本で、多くの美術館が所蔵しています。なぜ、タイトルが『ジャズ』なのか? 切り紙絵が、“リズムと即興”というジャズのエッセンスに共通するからだそうです。

『ジャズ』展示風景。© Succession H. Matisse

『ジャズ』(1947年刊行)の20点の図版が並ぶ展示風景。右手の壁には切り紙絵に基づいたタペストリー《ポリネシア、海》、切り紙絵の《クレオールの踊り子》という重要な作品が展示されている。「マティス 自由なフォルム」国立新美術館 2024年 展示風景 © Succession H. Matisse

マティスは1941年、大病を患い手術をしますが、その後の経過が芳しくなく、油彩や彫刻に取り組むような体調ではありませんでした。切り紙絵は、前もって助手が絵の具で塗った色の紙をマティスが切り抜いてエレメントを作ります。そのエレメントを並べ替え、さらに切り直して形を変えたり場所を動かしたりして、自由自在に作品を構成しますので、座ったままでも制作が可能だったのです。


アンリ・マティス『ジャズ』道化師(第1図)パリ、テリアード出版、1947年 マティスが切り紙絵で制作したオリジナルの構成に基づいてポショワールで刷られた図版 42×65cm ニース市マティス美術館蔵 ©Succession H. Matisse Photo: Archives Henri Matisse / Droits réservés

アンリ・マティス『ジャズ』-道化師(第1図)パリ、テリアード出版、1947年 マティスが切り紙絵で制作したオリジナルの構成に基づいてポショワールで刷られた図版 42×65cm ニース市マティス美術館蔵 ©Succession H. Matisse Photo: Archives Henri Matisse / Droits réservés

アンリ・マティス『ジャズ』ピエロの埋葬(第10図)パリ、テリアード出版、1947年 マティスが切り紙絵で制作したオリジナルの構成に基づいてポショワールで刷られた図版 42×65cm ニース市マティス美術館蔵 Photo: Archives Henri Matisse / Droits réservés

アンリ・マティス『ジャズ』-ピエロの埋葬(第10図)パリ、テリアード出版、1947年 マティスが切り紙絵で制作したオリジナルの構成に基づいてポショワールで刷られた図版 42×65cm ニース市マティス美術館蔵 ©Succession H. Matisse Photo: Archives Henri Matisse / Droits réservés

「ハサミを使ってデッサンする。色彩に直に切り込んでいくと、彫刻家たちがする直彫りを思い出す。本書はそういった精神のもとに構築された」とマティスは書いています。切り紙絵が独自の表現方法として確立された重要な作品となりました。

マティス 自由なフォルム
国立新美術館 企画展示室 2E(東京都港区六本木7-22-2)
会期:2024年2月14日(水)~5月27日(月)
開館時間:10時~18時 ※毎週金・土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)
休館日:毎週火曜日 ※4月30日は開館
お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
観覧料:一般2200円ほか
展覧会ホームページ:https://matisse2024.jp
 
今津京子/Kyoko Imazu
撮影/小野裕次

撮影/小野裕次

美術展プロデューサー。パリをベースに、今回の「マティス 自由なフォルム」、「ルーヴル美術館展 愛を描く」(2023年)、「ガブリエル・シャネル展 Manifeste de Mode」(2022年)、「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」(2020年)など、40年にわたり数十を超える大型展覧会の企画に携わる。日仏英の3か国語を操り、美術、ファッションなどの分野でジャーナリストとしても活動。音楽、演劇、料理、アンティークなどアール・ド・ヴィーヴルをこよなく愛する。

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応募締め切り:2024年4月7日(日)23:59まで

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