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本当の“試練”は更年期以降やってくる⁉ 健やかな高齢期のために知っておきたいこと

2024.02.22

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更年期は通過点ではなく、新しいライフステージのはじまり。

日本の女性医療、性差医療の先駆者として知られる医師の天野惠子先生が、プレ更年期から高齢期までの女性の身体と病気についてまとめた書籍『女の一生は女性ホルモンに支配されている!』(世界文化社)を上梓しました。

本書は2022~2023年に『家庭画報』で連載された「すこやか女性外来」の内容をベースに、女性のライフサイクルに伴って起きる身体の変化や、更年期以降増えてくる症状と病気、いざというときに頼りになる全国の女性外来情報について1冊にまとめたものです。

性差を考慮した女性の医療についてわかりやすく網羅した本書は、まさに女性の身体のバイブル。現在更年期、高齢期を迎えているかたはもちろん、これから女性ホルモンの低下を経験するであろう30、40代にも必読の書です。ぜひ手に取ってご自身の身体への理解を深め、健やかな毎日にお役立てください。


この発売を記念し、第1章【更年期に感じる不調】の一部を抜粋してお届けします。

女性ホルモンがなくなる! 新たなライフステージへの心構えを

天野惠子(医師。静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長)

「更年期にはいずれ終わりが来る」と漫然と過ごしていませんか? たしかに閉経の前後5年ずつ、合計10年間を意味する期間としての「更年期」は必ず終了し、同時にその時期特有のつらい症状も治まります。

しかし、覚えておいてほしいのは、女性にとって本当の“試練”がやってくるのは更年期以降、高齢期だということです。なぜなら閉経とともに女性ホルモン・エストロゲンの庇護がなくなり、動脈硬化や骨粗しょう症など健康寿命にかかわるさまざまなリスクが高まるからです。

更年期を単なる通過点ではなく新たなステージへの出発点ととらえ、後半の人生に向けて踏み出す準備をはじめましょう。

エストロゲンは、“守り神”。女性たちに若々しさと健康を惜しみなく恵んでくれる。

エストロゲンは、“守り神”。女性たちに若々しさと健康を惜しみなく恵んでくれる。

大きな変化がはじまる。恐れず、無理せず、気を抜かず

大事なのは、自分の体がどう変わるのかを正しく知ることです。閉経を境に女性は「産む性」としての機能を失います。まず、20代~30代の性成熟期に体内で繰り返される月経のサイクルやエストロゲンの働きをみてみましょう。その複雑さ、ありがたさがわかると、閉経がいかに大きな変化のはじまりであるかを実感できるはずです。

恐れず、無理せず、そして気を抜かず。正しい知識を身につけ、生活習慣を改め、ときには医療の力も借りながら更年期と“その後”をすこやかに過ごしましょう。

月経周期にともなう体の変化

卵胞が成熟しはじめると卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が増殖して受精卵を迎える準備を整える。排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)が子宮内膜を厚く保って受精卵が着床しやすい状態をつくり、体温も上昇。受精しないと子宮内膜は剝がれ落ち月経血となって排出され、再び妊娠のための準備がはじまる。

卵胞が成熟しはじめると卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が増殖して受精卵を迎える準備を整える。排卵後は黄体ホルモン(プロゲステロン)が子宮内膜を厚く保って受精卵が着床しやすい状態をつくり、体温も上昇。受精しないと子宮内膜は剝がれ落ち月経血となって排出され、再び妊娠のための準備がはじまる。

初経から約40年間、ひと月周期で繰り返される体のサイクル

初経から閉経までの約40年間、卵胞の発育や成熟にともなって体の中では上図のような変化が約28日周期で繰り返され、妊娠可能な状態がつくられます。閉経とは卵胞がなくなってホルモン分泌もなくなり、子宮内膜も基礎体温もフラットになること。月経困難症や月経前症候群(PMS)など月経がらみの症状がなくなる代わりに加齢現象がはじまります。

子宮や乳房だけじゃない。エストロゲンは体全体をサポートする

エストロゲンは基礎代謝を保ち、低体温を防いで免疫力を保つなど体全体にかかわる大きな働きをしており、下図のように各臓器にも作用しています。更年期以降の病気予防の点から特に注目したいのは、エストロゲンには高血圧、高血糖、高コレステロールを抑え、動脈硬化の進行を予防する働きがあること。骨量を保つ作用があることも重要です。

【エストロゲンの働き】
血管を拡張させて血圧の上昇を抑制し、高血圧を防ぐ。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を肝臓に取り入れて血中のコレステロール値の上昇を防ぐ。インスリンを効きやすくして血糖値を抑える

動脈硬化の進行が抑えられる

脳梗塞や心疾患(狭心症、心筋梗塞)を予防する

他にも……
・皮膚の老化を抑え、肌の潤いを保つ
・乳房を発育させ、女性らしい体つきをつくる
・子宮の機能を保ち、妊娠できる状態をつくる
・破骨細胞が骨を壊す速度を調整して、骨量を保つ

エストロゲンが0になったら……

更年期を境にエストロゲンが急激に低下

卵巣は思春期から約40年でその働きを終えます。40代になると卵巣機能は低下しはじめ、エストロゲンの分泌も減り、やがて0になった状態で老年期へ移行します。更年期を過ぎて治まる症状もありますが、エストロゲンの恩恵を受けられなくなるのも事実です。

でも心配しないで。日常を見直すチャンスがやってきた

40代、50代の節目を迎えたときが生活改善のチャンス。病気予防に気をつけながら歩んでいきましょう。今後特に気をつけたいのは糖尿病や高脂血症など内科系の病気のリスク。婦人科だけでなく内科のかかりつけ医も持ちはじめるとよいでしょう。

『プレ更年期から高齢期まで 女の一生は女性ホルモンに支配されている!』


81歳、女性外来を作った伝説の女医によるプレ更年期から高齢期までの指南書決定版!

著者は日本で女性外来を作った伝説の現役医師、天野惠子先生81歳。更年期以降のさまざまな不調や病気に悩むすべての女性へ。また女性外来に関わる医療スタッフのバイブルとしても。プレ更年期~高齢期不調の基礎知識から対処法までを完全網羅。天野先生が推薦する全国・女性外来の医師21人を紹介。巻末には保存版「全国の女性外来リスト」を掲載。天野惠子著 1760円/世界文化社

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天野惠子(あまの・けいこ)
1942年生まれ。67年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。09年より静風荘病院にて女性外来を開始。静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。

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イラスト/佐々木 公〈sunny side〉

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