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教養が深まるアフタヌーンティーの基礎知識「英国式3つのティースタイル」とは

2024.03.04

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〔特集〕正統的なスタイルを知る 教養としてのアフタヌーンティー イギリスで生まれた背景やその種類、そして意外なトリビアを知れば午後のティータイムはいっそう充実したものとなります。英国文化に造詣の深い、ティーサロン「スリーティアーズ」の新宅久起さんと一ノ木理恵さんに、自身の経験に基づいた、アフタヌーンティーをより深く優雅に楽しむための知識を教えていただきました。

・特集「心躍るアフタヌーンティー」の記事一覧はこちらから>>

英国式3つのティースタイルとは

バターをたっぷりと生地に練り込んだ「スリーティアーズ」のスコーン。外はサクッと、中はふんわりとした軽い口あたり。濃厚なクロテッドクリームと特製のミックスベリージャムが、スコーンの優しい甘さを引き立てる。

現代でも人気のアフタヌーンティーは、いつ、どこで、どのように生まれたのでしょうか。その成り立ちや、本国で親しまれている3つの代表的なティースタイルをご紹介します。

左:新宅久起さん(しんたく・ひさき)

「スリーティアーズ」オーナー。30年以上にわたってイギリス専門誌の編集長を務め、2019年に目黒にティーサロンをオープン。2023年に京橋に移転。英国展などの催事への出展も行っている。

右:一ノ木理恵さん(いちのき・りえ)
「スリーティアーズ」シェフパティシエ。ロンドンの「ル・コルトンブルー」で製菓を学び、名門ホテル「クラリッジズ」にて研鑽を積む。目指しているのは「イギリスよりもおいしいイギリス菓子」。

1.Afternoon Tea(アフタヌーンティー)

上段には旬のフルーツを使用したタルトやムース、マカロン。中段は冷めないよう包まれたダブルバタースコーンとレモンドリズルスコーン。下段は「キューカンバー&クリームチーズ」などの3種のサンドイッチとソーセージロール。ベリーのプディングやショットグラスに入ったレモンポセットも用意されている。昨年まで営業を行っていた目黒の洋館にて。花が描かれた器はロイヤルクラウンダービーの「ロイヤルアントワネット」。

貴婦人の空腹から始まった、華やかな女性たちの社交の場

19世紀、ヴィクトリア朝時代のイギリス。当時の貴族は、イングリッシュ・ブレックファストと呼ばれる遅めの朝食をいただいた後は、夕食まで何も口にしないという、一日2食の生活を送っていました。そんななか、昼間の空腹をしのぐため、ある貴婦人が使用人にお茶と軽食を自室に運ばせることを思いつきます。彼女の名はアンナ・マリア。第7代ベッドフォード公爵夫人として王室に仕えたこともある、名門貴族の女性です。

やがて社交家であった彼女はこの自分だけの密かなひとときに友人や知人を招き始めました。紅茶は大きなポットで出され、軽食とともに片手でつまめるスイーツなどもテーブルに並ぶようになりました。この貴婦人たちの午後のお茶会が、アフタヌーンティーの起源であるといわれています。

その後、アンナ・マリアのお茶会は社交界でも評判となり、広く文化としてイギリス全土に定着しました。ロンドンのホテルが提供を始めると、一般の人や観光客にも楽しめるものとして、世界中が注目。国内外で気軽に注文できる場所が増えるにしたがって、ティーフーズや紅茶の種類、ティースタンドの形に至るまで、その内容は年々多様化してきています。

2.Cream Tea(クリームティー)

スリーティアーズで人気の「ダブルバタースコーン」とイギリスでよく食べられる「フルーツスコーン」(レーズン入りスコーン)。添えたケーキは、ジャムとバタークリームをはさんだサックリとした食感の「ヴィクトリアサンドイッチ」。器はバーレイの「ブルーアジアティックフェザンツ」。

おやつ時の定番。スコーン&ティーのシンプルスタイル

その名前から、たっぷりとクリームをのせた甘い紅茶を想像される方も多いかもしれません。実際には「クリームティー」とは、スコーン、クロテッドクリーム、ジャム、そして紅茶のシンプルなセットのことを指します。

家庭で楽しむのはもちろん、イギリスではティールームの定番メニューとして、おやつ時に注文する光景が日常的に見られます。

値段もアフタヌーンティーに比べると手頃で、マナーなどを気にする必要もあまりありません。現代ではスコーン以外の軽食が供されることは稀ですが、発祥当時はスイーツなどがともに出されることもありました。

名前の由来は、スコーンに添えられたクロテッドクリーム。「スコーンはクロテッドクリームを味わうための土台」といわれることもあるほど、スコーンを食べるには欠かせない特別な存在です。

日本では何もつけずにいただく方も多いですが、甘酸っぱいジャムと一緒に、こぼれるほどたくさんのせるのが本場英国式の食べ方とされています。

撮影/大泉省吾 取材協力/British Trade Japan、タスマンインターナショナル、アンティークシェーン、Design Team Liviu

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