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ニセコ「SHIGUCHI」で叶う、静謐な時間と空間を味わうギャラリーステイ

2024.02.08

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〔特集〕世界の社交場を訪ねて──華麗なるウィンターリゾート 冬のリゾートは、社交の舞台であり、家族団らんの場であり、そして一人静かにリフレッシュするリトリートの場でもあります。ウィンタースポーツだけでなく、絶景を眺めながらレストランで食事をしたり、スパで心身を休めたり……。子どもから大人まで、誰もが忘れられない体験ができる、銀世界のリゾートへとご案内します。前回の記事はこちら>>

・特集「華麗なるウィンターリゾート」の記事一覧はこちら>>

世界に誇る日本のパウダースノーを楽しむ

北海道や岩手、長野の雪山やスキー場は、世界中のスキーリゾートを知り尽くした富裕層のスキーヤーをも魅了しています。2000メートル級の山に登らずとも、これほど手軽に、最高のパウダースノーと出合えるところは、ほかにはないからです。温泉や美食のレストランも揃い、冬の自然の恵みが溢れる、ウィンター・リゾート王国へと進化しています。

SHIGUCHI(シグチ/北海道・ニセコ)
美しく静謐な時間と空間を味わうギャラリーステイ

広々とした「風」のリビングスペース。地階にベッドルーム、1階と屋根裏には和室。5名まで利用可能。「アートと温泉、森に囲まれた豪華な古民家ヴィラで、人生にしばし静謐な時を刻んでみるのも大人だからこその貴重な機会だと思います」(推薦者・せきねきょうこさん〈ホテルジャーナリスト〉)。

大自然の中で、五感が満たされる体験を

美しい森の懐に抱かれて点在する3棟の古民家。150年の時を経て、2022年、ヴィラとして新たな命を吹き込まれました。


陽光の中で「素晴らしい自然を感じたくて」と外でくつろぐ滞在客。

夕闇迫る頃、隣接する別棟「そもざ」地階にあるギャラリーでアペリティフを。北海道の民俗や歴史を伝える作品や伝統文化に触れることで、滞在がより深く心に刻まれる。

宿の名は、釘などを一切使わずに柱や梁をつなぐ日本建築の伝統技術「仕口」に由来。「見えないところを匠の技でつなぐ。そこに自分が目指すおもてなしに通じる哲学を見出しました。人と自然、地元をつなぐ、という意味もあります」。

ショウヤ・グリッグさんはイギリス出身。20代前半に北海道の自然に魅せられ、移り住んでから30年。ニセコの地で「坐忘林」をはじめ、ギャラリーレストラン「そもざ」、そして「シグチ」と、斬新な空間づくりを追求している。アーティストとして独自の審美眼で選んだコレクションや自身のアトリエや書斎があるギャラリーは、宿泊客のみ訪問可。

親交の深い陶芸家、辻村史朗氏の作品。

そう語るのは、オーナーであるショウヤ・グリッグさん。ニセコに新時代をもたらした宿「坐忘林」の創設者の一人であり、アーティスト、美術収集家としての顔を持つ彼の美意識や精神性が「シグチ」の隅々にまで息づいています。

3棟に客室は計5つ。「地、水、火、風、空」とそれぞれに名前がつけられ、広さや趣が異なります。

雪と原生林が織りなす風景は映画のワンシーンのよう。空間だけでなく、超高密度生地のシーツや「ヨーガン・レール」の部屋着など上質な心地よさへのこだわりが、快適な滞在を叶えてくれる。

巨石をくりぬいてつくられた露天風呂でのバスタイム。屋根付きのテラスに設けられ、国定公園の森と一体になったような感覚で、非日常の世界に没入できる。加水加温なし、源泉掛け流しの温泉を全室に完備。

スパでは「地、水、火、風、空」をイメージしたオリジナルのアロマオイルから好みの香りを1つ選び、上質なトリートメントを受けることができる。メニューはボディ、フェイシャル、ホットストーン、ヘッドスパなど。渓谷を望む絶景サウナもオープン予定。

移築した古民家をベースとしてモダンに改装された室内は、さまざまな時代、国のアートやグリッグさんのコレクションがしつらえられ、ギャラリーに滞在しているかのよう。大きな窓の外には刻々と表情を変える幻想的な大自然のパノラマが。

「そもざ」の入り口には流 政之氏の彫刻作品が。北海道の自然をモチーフにした自身の作品も壁を飾る。

名もなきつくり手によるアイヌ彫刻もそこかしこに。

ゲレンデまで車で約10分の距離ですが、アクティビティよりあえて“おこもり”を楽しみたい極上の宿です。

渓谷と眼下を流れる硫黄川が見晴らせる「そもざ」のダイニング。

ある日のディナーコースから。真狩産ゆり根のムースとその鱗片、たらばがにのサラダ。北海道の豊かで新鮮な食材が、本格的なフレンチを学んだ地元・倶知安出身の佐藤朝男シェフの手により、アイヌや縄文の文化から着想した独創的な料理に生まれ変わる。躍進めざましい余市ワインから「平川ワイナリー」の白をペアリング。ディナーは外部ゲストも予約可能。

右・バターナッツかぼちゃとトリュフのポタージュ。左・りんごのタタンにフルーツほおずきのソルベを添えて。

サイフォンを利用して野菜のエキスを抽出し、かつおだしを合わせて滋味深いスープに。

一日の始まりに、自家菜園から届く旬の野菜や道内の生産者が丹誠込めた食材の持つ自然の力をいただく。朝食は和と洋から選ぶ。

SHIGUCHI
住所:北海道虻田郡倶知安町花園78-5
TEL:0136(55)5235
料金:1泊2食付き1名7万6000円~(サービス料込み、シーズン、曜日、利用人数により変動)
IN15時/OUT11時
新千歳国際空港から車で約2時間。花園・倶知安内は無料送迎あり。


(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年02月号

家庭画報 2024年02月号

撮影/大泉省吾 取材・文/河合映江

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