幸福学の専門家も実践！ 「夫婦の連帯感」が生まれる魔法の言葉とは？

更年期世代のお悩み解決　心が楽になる“幸せ習慣”　第2回（1）パートナーへの不満やイライラを穏やかに、わかってもらえるように伝えるのは実に難しいもの。幸福学の専門家である前野隆司先生・マドカさんご夫妻が実践するコミュニケーション術を教わります。「愛を伝える5つの方法」のワークもぜひご夫婦で試し、価値観の違いの共有にお役立てください。　前回の記事はこちら＞＞

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夫婦の連帯感が生まれる魔法の言葉、「私たち」を主語に話してみましょう

「言動にイライラ、喧嘩ばかり。ギスギスした夫婦関係を改善したい」

前野隆司先生

まえの・たかし　日本の幸福学研究の先駆者。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授。幸福学を世の中に役立つように応用し社会全体の幸せを目指す。

前野マドカさん

まえの・まどか　夫の隆司氏とともに幸福学を研究。幸せな社会を目指す会社「EVOL」を経営。幸せを広めるワークショップ、コンサルティング、研修活動、講演等を行う。

WEメッセージで伝える習慣が夫婦に一体感をもたらす

相手に不満をぶつければ喧嘩になるし、我慢してため込んでいると爆発する──。多くの夫婦がそんな悩みを抱えています。

マドカさん　「愛の反対は憎しみではなく無関心」という言葉があります。イライラしたり怒りを感じるのは相手への願いや期待、つまり愛情がある証拠。「わかってほしい」との思いが「どうしてわかってくれないの」と不満につながる──。伝え方次第で解決できる面が大きいと思いますね。


前野先生　自己表現には3つの方法があり（下の表）、最良はアサーティブ（相手を尊重しつつ自己主張する）な表現です。特にネガティブなことはYOUメッセージ（あなたを主語にする）ではなくIメッセージ（私を主語にする）で伝えるのがよいといわれますが、良好な夫婦関係を保つためにより効果的なのがWEメッセージ。「私たち」を主語にして話す方法です。

アサーティブな表現方法を身につけましょう

自己表現には以下の3つのタイプがあります。

マドカさん　日常的な例でいえば「あなた、ゴミを出さなかったでしょ」と「私たち、ゴミを出さなかったね」では受け止め方が全然違います。当番を忘れた相手だけを責めるのではなく「半分は気がつかなかった私のせいだけど」というニュアンスが加わるので、相手は気分を害さずに「明日からちゃんとやろう」と思ってくれる。誰も不快にならずに目的を達せられる魔法のような言葉だと思います。