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名曲の背景に名手あり。ブラームスの心を揺さぶったクラリネット奏者とは

2024.02.28

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第181回 ブラームス『クラリネットソナタ』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

名曲誕生の背景に名手あり

今日2月28日は、ドイツのクラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルト(1856~1907)の誕生日です。

当時のドイツで最も有名なクラリネット奏者であったミュールフェルトは、ヴァイオリニストとしてマイニンゲン宮廷楽団に入団。後にクラリネットに転向し、指揮者も務めたという、今では考えられないような経歴の持ち主です。

「楽団のナイチンゲール」とたたえられたミュールフェルトの驚異的な腕前は、作曲活動から身を引くことを考えていた当時60歳のブラームスの心を触発し、一連のクラリネット作品を生み出すきっかけとなったのです。


ミュールフェルトの演奏に惚れ込んだブラームスは、彼のためにクラリネット三重奏曲、クラリネット五重奏曲と2曲のクラリネットソナタの4曲を書き上げます。そのどれもが、ブラームス晩年の成熟した響きと枯淡の境地が心に染みる名曲中の名曲です。

我々後世のファンはミュールフェルトに大感謝しなければなりませんね。まさに、“名曲の背景に名手あり”です。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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