史上初のミリオンセラーを成し遂げた、伝説のテノール歌手エンリコ・カルーソー

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」　難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら＞＞

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第178回　レオンカヴァッロ オペラ『道化師』より「衣装をつけろ」

イラスト／なめきみほ

史上初のミリオンセラーを成し遂げたスーパースターとは

今日2月25日は、伝説のテノール歌手エンリコ・カルーソー（1873～1921）の誕生日です。

イタリアのナポリに生まれたカルーソーは、聖歌隊を経て18歳から正式に声楽を学び、1894年にナポリでデビューを果たします。60作品ものオペラや500曲以上の歌曲をレパートリーに持ち、レコーディングも積極的に行っていたカルーソーの名を一躍有名にしたのが、1904年に録音された、レオンカヴァッロ（1857～1919）のオペラ『道化師（パリアッチ）』の中の有名なアリア「衣装をつけろ」でした。

主人公カニオが歌う有名なこのアリアを歌ったカルーソーのアルバムは、なんと100万枚以上の売り上げを記録。史上初のミリオンセラーとなったのです。この偉業を成し遂げてスーパースターとなったカルーソーは、すべてのテノール歌手が目指す道標となったのでした。


そのカルーソーの生涯は、1951年公開の映画『歌劇王カルーソ』に描かれていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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田中 泰／Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。