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晩年のモーツァルトが起死回生の思いを込めた『ピアノ協奏曲第26番“戴冠式”』

2024.02.24

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第177回 モーツァルト『ピアノ協奏曲第26番“戴冠式”』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

モーツァルトが起死回生の思いを込めたピアノ協奏曲

今日2月24日は、モーツァルト(1756~91)の『ピアノ協奏曲第26番“戴冠式”』が完成した日です。(1788年)

ピアノの名手であったモーツァルトは、自らが演奏するために、27曲のピアノ協奏曲を残しています。しかし、ウィーンでの熱狂的な人気が衰えた晩年は、定期的に続けてきたピアノ協奏曲の作曲もストップし、経済的に困窮してしまいます。

オペラ制作に活路を求めながらも、かつての栄光を忘れられず、起死回生の思いを込めて新たなピアノ協奏曲を作曲したモーツァルト。しかし、予約演奏会のめどはまったく立たず。作品は1年以上放置されてしまいます。


状況が変わったのは、1790年10月のことでした。神聖ローマ帝国皇帝レオポルト2世の戴冠式典に同行したモーツァルトがこの曲を披露。これをきっかけに“戴冠式”と呼ばれるようになった作品が、モーツァルト26番目のピアノ協奏曲だったのです。ちなみに翌1791年3月4日に行われた『ピアノ協奏曲第27番』の初演が、モーツァルトがピアノを弾く最後のステージとなったのでした。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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