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代表曲のほとんどが60代以降の作。大器晩成の音楽家、セザール・フランク

2024.02.17

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第170回 セザール・フランク『交響曲ニ短調』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

大器晩成の作曲家による音の記念碑

今日2月17日は、ベルギー生まれの作曲家セザール・フランク(1822~90)の代表作『交響曲ニ短調』の初演日です。

ベルギーのリエージュで画家の家系に生まれたフランクは、19世紀半ばのフランス楽壇の中では珍しく、ドイツ風の重厚な交響曲や室内楽、オルガン曲などを手がけた人でした。そして代表作のほとんどが60歳を過ぎてからの作品であることも特徴的。まさに大器晩成そのものです。その意味では、同時代の作曲家にして神童の誉れ高いサン=サーンス(1835~1921)とは好対照といえそうです。

そのフランクの代表作『交響曲ニ短調』の初演は1889年2月17日。死の1年前の作品なのですから驚きます。きっかけは、同時代のサン=サーンスやラロ、ダンディの交響曲に刺激を受け、さらには弟子たちにも熱心に勧められた結果「それでは自分も」と思ったあたりがいかにもフランク。


その名のとおり真摯で真面目な性格だったようです。『交響曲ニ短調』の仕上がりはすばらしく、19世紀後半における最も優れた交響曲の1つとされています。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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