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「第一級の風景画家」とたたえられたメンデルスゾーンが音楽で描くイタリアとは

2024.02.03

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第156回 メンデルスゾーン『交響曲第4番“イタリア”』

イラスト/なめきみほ

第一級の風景画家が描いた音楽の絵日記

今日2月3日は、ドイツ・ロマン派を代表する作曲家メンデルスゾーン(1809~47)の誕生日です。

ハンブルクの裕福な家庭に生まれ育ったメンデルスゾーンは、1830年、21歳の年に、見識を広げる目的で半年にわたるイタリア旅行を実行します。そこで体験したカプリ島、ポンペイ、ベスビオ山など、祖国ドイツとは対照的な明るさを持つイタリアの自然や風物に大きな刺激を受けたメンデルスゾーンが書き上げた作品が、『交響曲第4番“イタリア”』です。

第1楽章冒頭の輝くような明るさは、まさにメンデルスゾーンの感じた風光明媚なイタリアそのもの。初演は1833年5月13日、演奏旅行に出かけたロンドンで、メンデルスゾーン自身の指揮によって行われています。


旅をこよなく愛したメンデルスゾーンは、スコットランドでの印象からは、演奏会用序曲『フィンガルの洞窟』と『交響曲第3番“スコットランド”』を生み出しています。なるほど、「メンデルスゾーンは第一級の風景画家だ」とたたえたワーグナーの言葉にも納得です。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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