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3人のスーパースターが集まった「100万ドルトリオ」が奏でるベートーヴェンの名曲

2024.02.02

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第155回 ベートーヴェン『ピアノ三重奏曲第7番“大公”』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

『海辺のカフカ』のテーマ曲のような名曲

今日2月2日は、20世紀を代表するヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツ(1901~87)の誕生日です。

彼の輝かしい演奏活動の中でも一際注目を集めたのが、アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)&エマヌエル・フォイアマン(チェロ)の3人による「100万ドルトリオ」の結成です。3人のスーパースターのギャラが合計100万ドルということから名づけられた彼らの演奏はまさにファン垂涎。得意としていたベートーヴェンの『ピアノ三重奏曲第7番“大公”』は、今も歴史的録音として愛されています。

作品の完成は1811年。ベートーヴェン41歳の年にあたります。ベートーヴェンの支援者として年金を送り続けたルドルフ大公に献呈されたことから“大公”と呼ばれるようになったこの曲は、その名にふさわしい優雅さと堂々とした気品を持つ傑作です。


そしてこの曲の人気を一気に高めたのが、村上春樹の小説『海辺のカフカ』でした。『大公トリオ』をテーマ曲のように登場させた作家のセンスに拍手喝采。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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