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出雲に伝わる「かもじ雑煮」と「小豆雑煮」。歴史を伝える正月の美味遺産

2023.12.27

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〔特集〕名旅館で出合うふるさとの味 日本全国「お雑煮」巡り 正月の祝い膳に欠かせない「お雑煮」は、地域ごとの違いが鮮明に残るきわめて特異な日本の食の遺産です。その時期ならではの地場の産物や縁起物を使った全国の名宿のお雑煮で、新春の旅に出かけましょう。前回の記事はこちら>>

・特集「日本全国お雑煮巡り」の記事一覧はこちら>>

島根の「かもじ雑煮」

ふっくらと煮た出雲産大納言と、餅に別添えの砂糖をかけて食す「小豆雑煮」と、岩のりと水芹だけで作る「かもじ雑煮」。

十六島の岩のりを使った出雲の郷土雑煮

ぜんざいの発祥地といわれる出雲の正月に欠かせないのが、地元産小豆で作るお雑煮。見た目はぜんざいに似ていますが、本来は柔らかく煮た小豆と丸餅に、好みの量の砂糖をかけたもので、正月の二日の朝にいただきます。

またこのあたりは出雲市北部の岬、十六島(うっぷるい)に自生する“十六島岩のり”を用いた「かもじ雑煮」を元旦に食す習慣もあり、「皆美館」では岩のりのお雑煮が、正月料理や鯛めしとともに供されます。


山海の幸を生かした2つのお雑煮は松江、出雲の希少な郷土食であり、歴史を伝える美味遺産です。

明治21年創業の宿「皆美館」。文人墨客が愛した宍道湖を借景にする枯山水式の庭園も見事。

皆美館(みなみかん)
島根県松江市末次本町14
TEL:0852(21)5131

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事は2008年1月号「お雑煮とおせちの旅」を再編集したものです。料理内容等は現在と異なる場合があります

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年01月号

家庭画報 2024年01月号

撮影/大泉省吾、齋藤幹朗、三苫正勝、本誌・坂本正行 取材・文/遠藤綾子、瀬川 慧、西村晶子、森山弥生

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