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ワーグナーの出世作・オペラ『さまよえるオランダ人』の裏には、愛犬家ゆえの苦難の旅が⁉

2024.01.02

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第124回 ワーグナー オペラ『さまよえるオランダ人』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

クラシック史上最高の愛犬家は誰?

今日1月2日は、ワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』の初演日です。

クラシック史上最も“犬好き”な作曲家は誰だろうと思って調べてみると、意外な人物が浮かび上がります。その名はリヒャルト・ワーグナー(1813~83)。19世紀ドイツを代表するオペラ作曲家です。人を踏み台にしながら自分の理想を実現してきたことから、音楽史上屈指の“悪人“とも称されるワーグナーが、犬にだけは寛容だったことが意味深です。

ロシア領リガの劇場指揮者を解雇された借金まみれのワーグナーは、愛犬を連れてパリへと逃げ出します。しかし60kgを超す巨大な犬のせいで馬車の乗車をことごとく拒否されたにもかかわらず、犬を絶対に手放そうとしません。ようやく乗り込んだロンドン行きの貨物船が大嵐に見舞われ、愛犬とともに遭難しかけるという地獄のような船旅を経験。


それが出世作となったオペラ『さまよえるオランダ人』に生かされたのですから、人生何が幸いするかわかりませんね。ワーグナーこそは、筋金入りの愛犬家といえそうです。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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