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チャイコフスキーの名曲『ヴァイオリン協奏曲』は、初めは酷評の嵐だった⁉

2023.12.04

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第95回 チャイコフスキー 『ヴァイオリン協奏曲』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

度重なる酷評に打ち勝った、チャイコフスキーの人気曲

今日12月4日は、ロシアの作曲家チャイコフスキー(1840~93)の『ヴァイオリン協奏曲』が初演された日です。(1881年)

“稀代のメロディーメーカー”として知られるチャイコフスキーの『ヴァイオリン協奏曲』は、今でこそ、名曲中の名曲に数えられる人気曲です。しかし、そこに至る道筋は決して順調ではなかったようなのです。完成した楽譜を、当代一のヴァイオリニスト、レオポルド・アウアーに送ったところ、「演奏不可能」として初演を拒否されてしまったことを始まりに、新たに依頼したアドルフ・ブロツキーの独奏で実現した初演は、同時代の名高い評論家ハンスリックによって、「悪臭を放つ音楽」などと酷評されてしまったのですから目も当てられません。

しかし幾多の酷評にも怯むことなく演奏を重ねたブロツキーの協力によって人気は浸透。今では、ベートーヴェン、ブラームス、メンデルスゾーンの『ヴァイオリン協奏曲』と並ぶ人気曲となったのでした。まさに、チャイコフスキーの執念の勝利といえるでしょう。



田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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