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【松岡修造の健康画報】「慶應義塾大学予防医療センター」センター長 高石官均先生に聞く予防医療の最前線

2023.12.08

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松岡修造の人生百年時代の“健やかに生きる”を応援する「健康画報」

一年を振り返り、自分の健康を見直すのにふさわしい年末に向け、松岡さんが訪ねたのは、予防医療の最前線に立つ高石官均(ひろまさ)先生です。病気の予兆を“超早期”に発見するため、医療の現場では今、何が行われているのでしょうか? また、私たち自身ができることとは?オープン間近の慶應義塾大学予防医療センターを高石先生の案内で見学したのち、松岡さんがじっくり伺いました。

前回の記事はこちら>> 連載一覧はこちら>>

東京・麻布台に拡張移転した慶應義塾大学予防医療センターのエントランス。2023年11月6日の開業を前に松岡さんが訪問しました。

東京・麻布台に拡張移転した慶應義塾大学予防医療センターのエントランス。2023年11月6日の開業を前に松岡さんが訪問しました。

慶應義塾大学予防医療センター センター長 高石官均先生

予防医療の大切さを広めたい高石先生と、人々の健康長寿を願う松岡さんは、すぐに意気投合。撮影の合間も話が弾みます。先生は松岡さんの質問に真摯に耳を傾け、ソフトな語り口で答えてくださいました。

予防医療の大切さを広めたい高石先生と、人々の健康長寿を願う松岡さんは、すぐに意気投合。撮影の合間も話が弾みます。先生は松岡さんの質問に真摯に耳を傾け、ソフトな語り口で答えてくださいました。

高石官均先生(たかいし・ひろまさ)
1964年東京都生まれ。1990年慶應義塾大学医学部を卒業。同大学医学部消化器内科大学院で、炎症性腸疾患研究に従事。1999年よりテキサス州立大学、2001年よりバージニア州立大学へ留学。臨床腫瘍学研究に従事。2002年に帰国し、慶應義塾大学病院包括先進医療センター、同大学病院腫瘍センターの設立に尽力。2013年腫瘍センター長に就任。2020年より慶應義塾大学予防医療センター センター長・医学部教授。

「予防医療とはどういうものですか?」──松岡さん

「予防医療は健康増進の医療。しっかりとした検査で、自分を知ることから始まります」──高石先生


松岡 高石先生が専門とされている予防医療とは、具体的にどういうものなのでしょうか。

高石 私たちの目指す予防医療とは「病気にかかることを防ぐ」という守りだけではなく、「健康な状態で長生きできるように、総合的な健康増進を行う」という、もっと積極的な医療です。医師や看護師などの医療スタッフと十分に対話し、しっかりとした検査を受けることにより、ご自身を知ることから始まります。現在患っている病気はもちろん、将来起こりやすい病気を、発症前に診断・予測し、あらかじめ予防的な治療を行う医療は「先制医療」と呼ばれています。

松岡 その予測のために受けるのが、人間ドックということでしょうか。

高石 はい。私たちのセンターは、正確な予測のための最新の機器を揃えています。異変が見つかった場合は、さらに精密な検査を受けていただけます。

予防医療を支える機器の世界は日進月歩

「立ったまま10秒で完了!? CT検査のイメージが一変しました」──松岡さん

松岡さんがすっぽり収まっているのは、世界で初めて開発された、立った状態で全身のCT撮影が行える画期的な機器(6階に開設される予防医療メンバーシップ専用)。わずか10秒でスキャンが完了すると聞き、松岡さんはこの表情。スーツ、シャツ、ネクタイ、チーフ、靴/コナカ

松岡 先程、世界初の立位型CT装置というものを拝見して、びっくりしました。立ったまま検査ができるメリットは何でしょう?

高石 予防医療は健康長寿のための医療です。健康な人は立って生活していますから、立位CTを用いて、立っているときの臓器、脊椎、膝関節などの状態を見ることは重要です。立位CTは、重力下での人体の構造を可視化でき、機能的障害を早期に発見することができますので、健康長寿に貢献できます。立位、座位での呼吸機能や循環動態の評価や、歩行機能など多くの機能、病態の評価が可能となります。疾患のなかには立位でのみ症状が増悪したり、顕在化したりするものもあり、そのような場合の診断にも有効です。

松岡 なるほど! 受診者の閉塞感を軽減するためかと思いましたが、普段の体の状態を知るためなのですね。すごいと思う一方で、なぜ今までなかったのかという気もしてしまいます。

高石 過去に構想はあったようですが、当時は実現できる技術がありませんでした。慶應義塾大学医学部放射線科学教室の陣崎雅弘教授の研究チームが、産学連携のもと、構想から基本設計、開発を主導し、世界に先駆けて完成させました。2017年に慶應病院に臨床1号機が導入されています。

松岡 素晴らしいですね。検査時間もわずか10秒程と伺い、感動しました。

高石 ただし最新の医療機器や最先端の検査を行っても、年に1回の人間ドックだけで超早期に病気を発見することは、必ずしも簡単ではありません。

松岡 え!?ということは、年に何回か受けたほうがいいんですか?

高石 何回も検査を受けることは負担が大きいですよね。健診を受けられるかたの多くは、「病気」の状態ではなく、その前段階の、「健康」な状態からは一つ進んで病気の影響は受けているけれども、まだ病気が体に現れていない「未病」の状態です。この「未病」の状態では、1回受ける検査だけでは異常を把握できないこともあります。身に着けてデータを取るウェアラブルデバイスなどを活用した持続的なモニタリングによって初めて微細な変化を把握し、通常の検査では見つけられない病気の把握が可能になることがあるのです。

健康は医師と受診者が一緒につくっていくもの

松岡 人間ドックさえ受けていれば大丈夫、という認識は改めたほうがよさそうですね。

高石 検査結果を説明し、しっかりとしたアドバイスができる施設がいいですよね。結果に基づいて、食事や運動をどうすべきかわからないかたも多いと思うのです。私たちのセンターでいちばん大切にしているのは受診者との対話です。ご自身の検査結果や既往歴だけではなく、生活習慣やご家族の病歴、そして、こうしたいという希望も詳しく伺ったうえで、「こういう病気になりやすいので、この検査をしてみませんか」と提案して、一緒に検査プログラムをつくっていきます。

松岡 先生とのコミュニケーションを通して自分自身への理解を深め、健康になっていく、という感じでしょうか。

高石 さすがですね。そのように考えております。

松岡 お医者さま任せにしないで、受診者も勉強すべし、ですね。僕は現役時代から自分と向き合ってきましたが、心も体も知れば知るほど楽しくなると感じています。知ることで、自分の心身を操れるようになっていくという感覚もある。読者のみなさんにも味わってほしいです。

「最新の機器より重要なのは、医師と受診者による『対話』です」──高石先生

高石 自分から積極的に知ろうとする姿勢はとても大切だと思います。受診者との対話において、私が大切にしていることは、誠実にご説明することです。この医師と一緒に健康をつくっていこうと思えるほどの信頼関係を築いていきたいからです。

松岡 自分にとって何より大切な健康を信頼できる先生とともにつくっていく。幸せな健康法といえますね。

高石 そんなふうに思っていただけると何よりです。私の次の目標は、受診者の健康に関するデータ「パーソナルヘルスレコード」を、子孫に残すシステムを構築することです。

松岡 自分のデータが家族の健康づくりに役立ったら、嬉しいですね。

後編へ続く。

慶應義塾大学予防医療センター

5階エントランス

5階エントランス

6階(予防医療メンバーシップ専用フロア)ラウンジ

6階(予防医療メンバーシップ専用フロア)ラウンジ

最新の機器を使用し、大学病院所属の専門医、熟練の検査技師が質の高い検査を実施。プライバシーに配慮された空間で、検査時はコンシェルジュが案内する。

慶應義塾大学予防医療センター
住所:東京都港区麻布台1-3-1 麻布台ヒルズ森JPタワー5階
TEL:03(6910)3533
営業時間:月曜~金曜、第2・4・5土曜8時30分~17時
※完全予約制。

松岡修造(まつおか・しゅうぞう)
1967年東京都生まれ。1986年にプロテニス選手に。1995年のウィンブルドンでベスト8入りを果たすなど世界で活躍。現在は日本テニス協会理事兼強化本部副本部長としてジュニア選手の育成・強化とテニス界の発展に尽力。テレビ朝日『報道ステーション』、フジテレビ『くいしん坊!万才』などに出演中。『修造日めくり』はシリーズ累計210万部を突破。ライフワークは応援。公式インスタグラム/@shuzo_dekiru

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年12月号

家庭画報 2023年12月号

撮影/猪俣晃一朗 スタイリング/中原正登〈FOURTEEN〉(松岡さん) ヘア&メイク/大和田一美〈APREA〉(松岡さん) 取材・文/清水千佳子

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