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さだまさしさん「タキ姐の武勇伝や名言の数々を文字に刻みたい」。加藤タキさんとの対話集

2023.12.13

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信頼し合う二人が大いに語る
人生を深め、楽しくしてくれる対話集

歌手のさだまさしさんと、日本のコーディネーターの草分け的存在の加藤タキさん。加藤さんの母で日本初の女性代議士の一人、加藤シヅエさんとさださんとの約40年前の出会いが、二人の交流のきっかけだったという。本書誕生のいきさつから伺った。

「僕は弟分として、日本のエンターテインメント業界に“コーディネーター”という仕事を作り上げた革命者である加藤タキの仕事と、そこから育まれたオードリー・ヘプバーンとの深い交際、ライザ・ミネリとの友情などのエピソードをぜひ形にして残したい、僕が聞き手となってタキ姐の武勇伝や名言の数々を文字に刻みたいと常々思ってきました」とさださん。

「まさし君からアイデアを聞いたときは、“母が喜ぶだろうな”ととても嬉しく思いました。これは私の大きな夢の一つ。夢は口にすれば必ず叶うと信じて、前向きに臨んでみようと考えました」と加藤さん。


加藤さんのコーディネートにより出版が決定し、さださんと加藤さんが2日間、6時間にわたり語り合った。二人が語るシヅエさんの言葉も含蓄と示唆に満ちている。そして、時おり二人の意見が異なる場面でのやり取りは、大人としての会話のヒントとなる。

「私は、3歳の頃に母から“人はみな違うが、怪我をすればみな赤い血が出る”と言われたことを機に、ずっとそう思って人生を歩んできました。そもそも違うからこそ、人の話に耳を傾けるのです。理解し、納得することもあれば、意見が異なるままの場合もあるので、無理に同調する必要はないと思っています。“誰が正しいか”ではなく“何が正しいか”を考えるのが、私の場合の着地点ですね」(加藤さん)

「まず相手の言葉をよく聞きます。どこが異なり、どこに共通点があるのかを判別することで、相手の立ち位置を理解することができるからです。タキ姐と僕はお互いを信頼していますので、“あ、今意見が違ったぞ”と感じた場合は、その理由を探ります。基本的には“意見をすり合わせる”のではなく、お互いの価値観を“理解し合う”わけですね。譲るのではなく、認める。そうすれば、どんな議論になっても“決裂”はしません」(さださん)

二人のように、信頼し合い、お互いの人生をより深めるような友人関係をもつ秘訣はあるだろうか?「大事なのは、適度な距離感を保ち、“一個の人格”を尊重すること。そうすれば、あらゆる人間関係で、建設的な愉しい関係を作り上げていくことが大いに可能だと思います」(加藤さん)

さださんが「実現したことは、無上の喜びです」と語る本書。人生を充実させてくれる言葉に出会える一冊だ。

ブックデザイン/鈴木成一デザイン室

『さだまさしが聞きたかった、「人生の達人」タキ姐のすべて』
加藤タキ、さだまさし 著 講談社

さだまさしが“タキ姐”と慕う加藤タキにインタビューするという形の、人生をよりよく楽しく生きるための言葉に満ちた対話集。ソフィア・ローレンやフランク・シナトラ、ドナ・サマーなど世界のスターとのエピソードも満載。

さだまさし(さだ・まさし)
1952年長崎県生まれ。1973年フォークデュオ・グレープとしてデビューし、1976年ソロ・シンガーに。現在、デビュー50周年アニバーサリー・ツアーを全国で開催中。

加藤タキ(かとう・たき)
1945年東京都生まれ。アメリカ留学後、米国報道誌勤務を経て、国際間のコーディネーターとして先駆的実績を残す。公私とも多方面で活躍。ボランティアにも励む。

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この記事の掲載号

『家庭画報』2023年12月号

家庭画報 2023年12月号

構成・文/安藤菜穂子

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