フェムケアの最新情報 更年期を心地よく過ごす5つの方法 第5回 更年期の不調や不快など、女性特有の悩みをテクノロジーの力で解決していく“フェムテック"が近年進展を見せ、製品やサービスが数多く提案されています。そこで気軽に始められるセルフケア方法を5つ、ご紹介いたします。
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【鍛える】骨盤底筋が緩まなければ、尿漏れは防げる
お話を伺った方 福山千代子先生
産婦人科医。MET BEAUTY CLINIC院長。金沢医科大学医学部卒業。20年以上にわたり女性特有の体の悩みや不調と向き合い、更年期障害をはじめ月経痛や月経前症候群などの治療に取り組む。(問)TEL:0120-776-123
佐藤亜耶先生泌尿器科医。自由が丘ウロケアクリニック院長。日本大学医学部卒業。自身の出産を機に、女性特有の痛みや辛さに強く関心を持ち、女性と子どもの専門クリニックを2019年に開院。(問)TEL:03(3723)2000
1日数分のトレーニングで尿漏れに悩まない毎日を
「更年期世代に多い尿漏れには2タイプがあります。くしゃみや咳をしたとき、重いものを持ち上げたりしたときなどに腹圧がかかりつい漏れてしまう腹圧性尿失禁は、骨盤底筋が緩み尿道の締まりが悪くなるのが原因。もう一つは切迫性尿失禁で、膀胱が過剰に反応する過活動膀胱の症状があり、尿意を感じてトイレに行くまでに我慢できず漏らしてしまうというものです」(佐藤先生)。
どちらにもおすすめなのが、骨盤底筋体操。「腹圧性は骨盤底筋を鍛えると、尿道の締まりもよくなります。切迫性は薬で抑えることがほとんどですが、体操で骨盤の中の血の巡りがよくなり、膀胱の働きがよくなって頻尿がよくなるかたも。骨盤底筋体操は万能です」(佐藤先生)。それでもよくならない、今すぐ症状を軽くしたい場合は、医師や専門家に頼ってみるのもおすすめです。
自宅でエクササイズ
鍛えるのはここ骨盤底筋は、尿道、膣、肛門のまわりにある筋肉(下のイラスト参照)。下のイラストは背中側から見たもので、骨盤の底で臓器を支えるようにハンモック状に広がっているピンク色部分。
息をふーっと吐きながら、「ゆっくり」と「速く」の動きを
仰向けに寝て足を肩幅に開き膝を立てる。
息をゆっくりと吐きながら骨盤底筋をおなかの中央に引き上げるようにし、お尻は上げない。10秒キープしたらゆっくりと引き下げる。10秒が難しい場合はできる秒数でOK。10回を1セットとして1日6セットが目安です。
同じ体勢で、膣と肛門を近づけるように意識して、1秒間隔で締めると緩めるを繰り返す。1秒間隔が難しい場合は、1秒以上間隔をあけてもOK。鍛えていることが他人にわからないので、テレビを観ながらや電車に乗りながらなどでも行いましょう。
骨盤底筋を鍛えるためのサロンも
自宅でのエクササイズを教えてくれたのは、「骨盤底筋トレーニング YUI」の代表、北條裕紀恵さん。女性泌尿器科の看護師として勤務時、悩む女性と深くかかわりたいという思いからサロンを開設。3回(1回60分)3万円〜。東京都新宿区神楽坂6-16 折井ビル401 TEL:050(5435)9401
※次回に続く
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