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オダギリジョーさん、中国の名匠・ロウ・イエ監督作品に感じた“ストイック”さとは

2023.11.22

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注目の人:オダギリジョーさん

奇想天外でユニークな物語が話題となったコメディドラマ『オリバーな犬、(Gosh‼)このヤロウ』(NHK)では脚本や演出などを手がけただけでなく、着ぐるみを着て警察犬のオリバーを演じたオダギリジョーさん。

その才人が中国の名匠・ロウ・イエ監督の映画『サタデー・フィクション』で演じるのは、日本海軍の少佐で暗号通信の専門家。太平洋戦争開戦前の7日間が描かれた作品だ。監督には、どんな期待を抱いていたのか。

中国の名匠と過ごしたクリエイティブな時間

「中国の映画監督といえば、ロウ・イエ監督と、ジャ・ジャンクー監督のお二人に強い印象がありました。そのロウ・イエ監督から声をかけていただいて、とても嬉しかったです。後で伺ったことですが、監督は脚本の執筆中、机の前に僕の写真を貼ってくれていたそうです(笑)。最初にオンラインで顔合わせをした際に、とても丁寧に話し合いを重ねて物づくりを進めるかただという印象を受けました。

僕からは台本を読んだ感想や疑問に思ったことを伝えて、その後もお互いの考えを話し合う打ち合わせを何度か重ねました。その過程がお互いの信頼関係につながったのではないかと思います。ただ、撮影が始まると監督が忙しくてゆっくりと話す時間がなかったので、監督からは“気になるシーンは君が思うように書き直してくれ”といわれ、少し書き直したシーンもありました。僕は監督の台本の本質的なものを変えようとしたのではなく、あくまでも日本人が間違えて描かれることのないように調整する程度だったと思います」
本作が2019年のヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品されたとき、オダギリさんが初監督を務めた長編映画『ある船頭の話』もヴェニス・デイズ部門で上映された。


「人生の中で監督と役者として、2本の映画で映画祭に行かせていただけるなんて、この先にあることではないと思うので、とても思い出深い出来事になりました。僕は自分の作品に、いろいろな挑戦を込めました。今の日本の映画界ではなかなか許されないタイプの挑戦でしたが『サタデー・フィクション』を見ると、もっとストイックな表現に挑んでいて、自分はまだまだ頑張らなければという気持ちになりました(笑)」

撮影/岡積千可 構成・文/山下シオン スタイリング/西村哲也 ヘア&メイク/砂原由弥〈UMiTOS〉、シラトリユウキ〈UMiTOS〉

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