アンティークからブランドの逸品まで 一生もののカトラリーと出合う テーブル上でプレートの横に並ぶカトラリーは手で持ち、口に触れる機会の多い物ですが、一度入手すれば破損も少なく、長く愛用できます。子ども、孫の世代にまで使い継いでほしいと思えるカトラリーを探しに出かけてみませんか。
前回の記事はこちら>>
スターリングシルバーの証 “ホールマーク”を知る
14世紀、英国では純度92.5パーセントの銀をスターリングシルバーと制定。厳格な品質管理と審査による保証“ホールマーク”を刻印することが法律で定められました。16世紀中頃には制度がより整えられ、詳細情報が刻印されるようになりました。
ホールマーク
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/9a99f17ddc919625724c84384c8ce7ec5ca98ba2.jpg?d=820x221)
ホールマークは「ライオンパサント」「デートレター」「アセイ・オフィスマーク」「メーカーズマーク」の4つの刻印が基本。一定の期間においては「デューティマーク」も加えられた。英国銀器が今日まで確かな品質を保っているのは、この刻印があるからこそ。
ライオンパサント
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/0d2ab88de900e61df3b1a2c96e849e7c64fbb64d.jpg?d=400x332)
横向きの姿のライオンは、銀の含有率が92.5パーセント以上であることを示す刻印。スタンダードマークとも呼ばれる。
デートレター
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/3c70e3ad59055ed4b5b0d6b298d4d1e48854cd82.jpg?d=443x250)
製作年。アルファベット1字を大小、ブロック体や飾り文字などさまざまな意匠で表示。1478年から製作年を特定可能。
アセイ・オフィスマーク
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/35cb378b7ba7ccabfe5a7f4f8d78ef71117442f7.jpg?d=658x250)
産地の刻印。英国には11都市にアセイ・オフィス(試金評価機関)が置かれ、どこで認証されたのか判別ができる。王冠はシェフィールド、いかりはバーミンガム、ライオンの顔はロンドンを意味する。
メーカーズマーク
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/83ce9ac6818c4abb2997567822409f219c0a60d0.jpg?d=764x250)
製作した工房を示すもの。工房の略称をアルファベットで刻印。写真は時代を牽引した2社。MN&WBは、1775年にシェフィールドで創業したマッピン&ウェブ社。E&Coは、1830年代にバーミンガムで創業したエルキントン社。
デューティマーク
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/b1050bc8b886fc9e63b80104aaf183616f44923b.jpg?d=468x250)
戦費調達などを理由に1784~1890年まで徴税が行われ、納税の証として国王の横顔が刻印。右はジョージ3世、左はヴィクトリア女王。
銀器の上手なお手入れ方法
![](https://images.www.kateigaho.com/media/article/175324/images/editor/fcd28bbea709b8a6d486ec98d886e85714a70901.jpg?d=820x547)
左・還元剤を含む手袋で乾拭きも効果的。 右・磨き剤はプリマ楽器「ライツ シルバー・クリーム」2750円が最適。 プリマ楽器 TEL:03(3866)2215
表出した茶色の膜を落とし、輝きを保つ方法を紹介します。
(1)乾いたスポンジまたはビニール手袋に磨き剤(重曹でも可)をつけ、銀器にまんべんなく塗り、優しくこする。
(2)ぬるま湯で流し、スポンジに食器用洗剤をつけ洗い流す。
(3)柔らかい布でしっかり水を拭き、乾燥させる。
(次回へ続く)
・
特集「一生ものの カトラリーと出合う」の記事一覧はこちら>>>