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不安や鬱など、がん患者の「メンタルケア」は誰を頼ればいい?専門家や、信頼できる情報源・サイト情報

2023.12.12

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がんまるごと大百科 最終回【心のケア編】(02)がんは体だけでなく、心にも大きな影響を与えます。患者だけでなく、家族など周囲の人たちも含め、うつ状態に陥ったり、体調をくずしたりすることは珍しくありません。連載最終回は、がんの心のケアについて、国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科 科長の松岡弘道先生に伺います。前回の記事はこちら>> がんまるごと大百科一覧>>

がん患者の不安や悩みに対して、精神腫瘍医など多様な専門家がサポートする

松岡弘道(まつおか・ひろみち)先生

国立がん研究センター 中央病院 精神腫瘍科 科長 支持療法開発室長。2002年奈良県立医科大学卒業、12年近畿大学大学院医学研究科修了。同大学医学部腫瘍内科等を経て、17年豪州テクノロジー・シドニー大学客員教授。19年近大医学部心療内科准教授、20年国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科科長、23年から支持療法開発室長を兼任。

がん患者が頼れる心のケアの専門家

これまで挙げたような症状に気づいたとき、心のケアの専門家に頼ることができます。一般的な精神科、心療内科のほか、がん診療連携拠点病院などにある精神腫瘍科、緩和ケア科や緩和ケアチームには、医師や看護師、心理学的なアプローチの専門家である心理士(心理療法士)などがいます。

「担当医に不安や悩みを伝えると、必要に応じて心のケアの専門家を紹介してもらえます」と松岡先生。担当医がいつも忙しそうで声をかけづらい、感情面の話をしてもいいのかと考えることもあるかもしれません。「患者さんのことを最もよく知っているのは担当医です。メモにまとめておいて要領よく話すなどの工夫はしながら、まずは話してみてください。担当医とのコミュニケーションがうまくいかないことがストレスになっている場合には、看護師や医療ソーシャルワーカーに伝えるといいでしょう。もちろん直接、精神腫瘍科に来ていただいてかまいません」。

【精神腫瘍科とは】

がん患者に特化した精神的・心理的ケアの専門医がいます


松岡先生は心療内科が専門で、がんの薬物療法を担当する腫瘍内科医でもあり、国立がん研究センター中央病院では精神腫瘍科を担当しています。「精神腫瘍学(サイコオンコロジー)は、がんが心に与える影響、心ががんに与える影響を研究する学問です。この精神腫瘍学の考え方を診療に生かしているのが精神腫瘍医です」。

精神腫瘍医には、精神科医と心療内科医がいます。精神科医は精神症状に、心療内科医は心理療法およびストレスが関与する身体症状に重点を置く特徴がありますが、いずれもがん患者やがんという病気に特化した精神・心理的な症状に対応するトレーニングを受けています。「精神腫瘍医は患者さんやご家族が自分らしく生きるためのがん医療について心身両面から一緒に考えます」。

日本サイコオンコロジー学会は、一定の基準を満たす精神腫瘍医を"登録精神腫瘍医"として認定し、登録医リストを公開しています。

精神腫瘍科には、心理学的な手法の専門家である心理士(心理療法士とも呼ぶ)が在籍していることがあります。

なお、精神腫瘍科が設置されていない病院では、緩和ケア科や緩和ケアチームが心のケアを担当している場合もあります。

精神腫瘍科や緩和ケア部門で心のケアを受けたい場合、直接訪ねるか、担当医や看護師、医療ソーシャルワーカーなどにつないでもらいます。

日本サイコオンコロジー学会 認定登録精神腫瘍医制度・登録医リスト

取材・文/小島あゆみ

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