エンターテインメント

神戸から本格的なバレエの魅力を発信。バレエカンパニー ウエストジャパン「ライモンダ」

2023.11.13

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 今この時代だからこそ見逃せない『ライモンダ』

ここで、今回上演される『ライモンダ』のあらすじを簡単にご紹介しましょう。

美しい娘ライモンダは、婚約者ジャン・ド・ブリエンヌが十字軍遠征から帰る日を待っています。そこにサラセンの王子・アブデラフマンが金銀財宝や国力を武器に求婚に現れます。拒むライモンダ、奪い去ろうとするアブデラフマン。その時ジャンが遠征先から帰還して、ライモンダを救います。

クライマックスとなる2人の結婚式ではハンガリーの民族舞踊を取り入れた格調高い踊りで締めくくられ、高揚感あふれる気持ちで劇場を後にすることのできる作品です。 今回の『ライモンダ』では山本康介さんは、マリウス・プティパによる原振付を見直し、再構築に取り組んでいます。


「康介さんの改訂演出・補足振付は物語の流れに沿ってソロも多く取り入れられていますが、一つ一つの踊りに意味があって、バレエを見せているというより“物語の中にいる”という気持ちになります。『ライモンダ』は形式で見せる場面も多い演目ですが、随所に康介さんらしい柔らかさ、上品さも感じます」と、瀬島さん。

「また、神戸フィルハーモニックの皆さんは今、オーケストラとしてすごく熱量の高いフェーズに入っていらっしゃるので、その演奏も楽しみにいらしてください。康介さんの“目に音符が見えるような振付”との、視覚と聴覚が一致した瞬間は、きっと心に響くと思います」(瀬島さん)。

物語に登場する“十字軍”や異なる宗教を持つ国同士の対立は、昨今の世界情勢とも重なります。

「ライモンダの物語はもちろん創作ではありますが、二つの宗教が共存できないのか、どちらかが死ななくても平和になる道はないのか、こういう時代だからこそ、遥か昔の物語に思いを馳せていただきたいですね」と、山本さん。

「今回の舞台では、アンドリュー・エルフィンストンさんのジャン・ド・ブリエンヌも、厚地康雄さんのアブデラフマンも、どちらも魅力的です。なぜライモンダはジャンを選ぶのか、ヒロインの気持ちになってご覧いただければと思います」と、瀬島さん。

「嬉しいことに公演を楽しみにしてくださるお客様も年々増えています。関西では上演されるバレエ作品も『白鳥の湖』のようにメジャーなものに偏ってしまいがちですが、今回の『ライモンダ』の全幕上演のように、色々な作品に触れる機会を提供していくこともバレエカンパニー ウエストジャパンの使命の一つと考えています」(瀬島さん)。


©山口陽平

©山口陽平


バレエカンパニー ウエストジャパン「ライモンダ」全幕

■出演
ライモンダ/瀬島五月 ジャン・ド・ブリエンヌ/アンドリュー・エルフィンストン アブデラフマン/厚地康雄(特別出演 元バーミンガムロイヤル・バレエ プリンシパル)

■改訂演出・補足振付
山本康介(原振付:マリウス・プティパ)

■音楽
アレクサンドル・グラズノフ

■指揮
冨田実里

■演奏
神戸フィルハーモニック

■日程
2023年11月23日(木・祝)15時開演(14時15分開場)

■会場
神戸文化ホール〈大ホール〉

■チケット
S席10,000円 A席8,000円 B席6,000円 C席3,000円 ・4歳以上入場可

■主催
一般社団法人BalletCompanyWestJapam

■公式サイト
URL:https://bc-westjapan.com/performance/

取材・文/清水井朋子 編集/宮本珠希

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