エンターテインメント

神戸から本格的なバレエの魅力を発信。バレエカンパニー ウエストジャパン「ライモンダ」

2023.11.13

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左:瀬島五月さん ©dan studio 右:山本康介さん

2018年の発足以来、神戸を拠点に活動を続けているバレエカンパニー ウエストジャパンが、この秋「ライモンダ」(全幕)を上演します。「関西発」の公演に情熱を注ぐ代表でタイトルロールのライモンダをつとめる瀬島五月さんと、改訂演出・補足振付を担当する山本康介さんにお話を伺いました。 

関西の「バレエ環境」を、東京レベル、世界レベルに

ロイヤル・ニュージーランド・バレエでプリンシパルとして活躍し、2003年の帰国後は、神戸のバレエ団を拠点に活動していた瀬島五月さん。東京と関西のバレエ環境の差を感じていたといいます。

「東京の舞台では、海外の舞台と同様に振付家、バレエ・マスター(ダンサーのトレーニングやリハーサル指導等を行う役職)がしっかりと最後まで責任をもって仕事をする過程に立ち会い、作品に対する知識や大きな学びを得ることができました。残念ながら関西ではまだまだ“バレエ学校の先生と生徒”という規模での公演がほとんどですし、出演者がチケット売り上げのノルマを負担しなければならないことも少なくありません。

才能・実力がある人が所属に関係なく参加でき、プロのダンサーとして完成度の高い舞台をクリエイトしていきたい、たくさんのお客様を集める機会を関西でも持ちたい、そしてバレエダンサーという仕事を職業として成り立たせたい……そんな思いから、2018年にバレエカンパニー ウエストジャパンを設立しました」(瀬島さん)。


瀬島五月さん

瀬島五月(せじま・さつき) 7歳より、貞松・浜田バレエ学園でバレエを始める。数々のコンクールで受賞後、英国ロイヤル・バレエ・スクールに留学。その後、ロイヤル・ニュージーランド・バレエ団入団し、プリンシパル・ソリストとして作品の主要な役を務める。帰国後は、貞松・浜田バレエ団のプリマバレリーナとして、長年に渡り活躍。現在は、自身のバレエ教室sAtsukiBalletを主宰、後進の指導に力を注ぎながら、BalletCompanyWestJapan設立。©dan studio

以来、関西をベースに活動するダンサーを中心に、時に客演ダンサーを迎えながら古典の名作からコンテンポラリー作品、新作までを意欲的に上演。その過程を第一回公演から見守ってきたのが、ダンサー、演出家、振付家として活躍し、NHKで放映される『ローザンヌ国際バレエコンクール』の解説でもおなじみの山本康介さんです。

山本康介さん

山本康介(やまもと・こうすけ) 美佳バレエスクールにおいて山口美佳に師事。13歳という若さで名古屋世界バレエ&モダン・ダンスコンクールにおいて審査員特別賞、ニジンスキー賞を受賞。英国ロイヤル・バレエ・スクール卒業後、バーミンガム・ロイヤル・バレエ団に入団。数々の作品でプリンシパル・ソリストを務め、バレエ団の公演においても振付を手がける。帰国後は、ダンサー、演出家、指導者として活動し、『プレミアムカフェ』(NHK)『ローザンヌ国際バレエコンクール』(NHK)の解説者としても出演。著者に『英国バレエの世界』(世界文化社)がある。


実は瀬島さんとは英国のロイヤル・バレエ・スクールでの同級生という間柄。

「日本では行政が文化をリードし、補助金なども均等に振り分けられるので、情熱や才能がある人がリーダーシップをとって文化活動を実現させるのは、並大抵のことではないと思います。

でも、五月さんには豊かなインスピレーションや天性の明るさがありますし、年一回の公演の時だけメンバーがオーディションで集まってくるバレエカンパニー ウエストジャパンのプロジェクト的な形態は、今の時代に即している気もします。

シュツットガルト・バレエ団や僕の所属していたバーミンガム・ロイヤル・バレエ団などは、今や文化としての“街の顔”になっていますが、バレエカンパニー ウエストジャパンも神戸に来ないと観ることのできない地域密着型のカンパニーとして成長していくことを願っています」(山本さん)。

取材・文/清水井朋子 編集/宮本珠希

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