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職人がナビゲートする「とらや」羊羹の秘密。小倉羊羹「夜の梅」ができるまで

2023.10.31

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「家庭画報」の手土産2023 「美味しい!」という満面の笑みが見たくて、 編集部の「美味アンテナ」は毎日フル稼働。 全国ゆかりの美味しいもの好きの皆さまに 教えていただいた故郷の“とっておき”もあわせて、 幸せを運ぶ122の美味土産を一挙にご紹介します。前回の記事はこちら>>

日本の手土産 “永遠の金メダル”
「羊羹」博覧会

和菓子として当たり前の存在である羊羹はなぜ、こんなにも愛されているのか。今さら聞けない歴史や秘密に迫ります。読んで食べればあなたも「羊羹ツウ」に。

羊羹職人がナビゲート
「とらや」の羊羹の秘密

手前から、切り口のあずきが夜の闇にほの白く咲く梅を思わせる小倉羊羹「夜の梅」。穏やかな抹茶の風味を味わう「新緑」。懐かしい記憶を呼び覚ますような黒砂糖の味わい「おもかげ」。

「とらや」の羊羹といえば、心を伝える特別な手土産の定番中の定番。そんな羊羹が作られている御殿場の工場に伺いました。富士山の伏流水が使え、交通の便もよいことからこの場所が選ばれたとか。

羊羹の製造担当の齋藤康宏さんいわく「羊羹作りは材料を厳選することから始まります」。


齋藤康宏さん。入社して31年。餡作りに携わり、現在は羊羹作りの責任者。手に持つ「えんま(木べら)」で羊羹の煉り具合を確認する。

あずきは北海道十勝産の「エリモショウズ」。希少な白あずきは群馬と茨城の農家に栽培を委託。糸寒天は昔ながらの製法で作ってもらっています。砂糖は精製度の高い白双糖(しろざらとう)、徳島県の和三盆糖、沖縄県西表島の黒砂糖を使い分けます。

「シンプルだからこそ、ごまかしがききません。材料は自然の産物なので日々状態が変わります。目で見て、耳で聞き、羊羹の煉(ね)り具合など要となる部分は調整します」。

とらやの羊羹作りには、熟練した職人の経験と勘による見極めが必要なのです。

四季の情景を映し込んだ「季節の羊羹」。手前から、山にかかる満月を表現した秋の「新更科」。2024年の干支羊羹「明けの龍」。白道明寺羹と青琥珀羹を流水に見立てた「水の宿(やどり)」。「雲井の桜」は春の日差しの中、宮中に咲き誇る桜の模様。1711年の値段帳にも記録されている。

「とらや」を代表する小倉羊羹
「夜の梅」ができるまで

1.「生餡」を作る。あずきの風味を損なわぬよう、渋切りは極力少なく煮る。皮を取り除いて、水にさらして雑味を除く。

2.1の生餡と、白双糖を溶かした糖蜜を合わせ、羊羹用の餡を炊き上げる。

3.「夜の梅」に加えるあずきを煮て、白双糖の糖蜜に一晩漬ける。(ここまで1日目)

4.糸寒天を煮溶かし、白双糖を加えて寒天液を作る。

5.4の寒天液に、2の餡を混ぜて適度な煮詰まり具合で煉り上げる。

6.5に3のあずきを加えて攪拌する。

7.6の糖度を確認し、「えんま」からの滴り具合で煉り上がりを職人が見極めたら、アルミの袋に充塡し、冷却庫に一晩おく。(ここまで2日目)

8.包装して完成。(3日目)

 
とらや 赤坂店
東京都港区赤坂4-9-22
TEL 03(3408)2331
@toraya.confectionery
(営)9時〜18時 (土曜・日曜・祝日9時30分〜) 毎月6日定休(12月を除く)

特集「家庭画報」の手土産2023の記事一覧はこちら>>

特集内でご紹介する商品の情報、価格は2023年9月10日現在のものです。 事情により内容が変わる場合があります。 掲載価格に別途送料や包装料などがかかる場合があります。

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年11月号

家庭画報 2023年11月号

撮影/久間昌史 取材・文/北村美香

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