TOP
エンターテインメント
柚希礼音さんにとって銀座とは？帝国劇場での新作ミュージカルを前に

エンターテインメント

柚希礼音さんにとって銀座とは？帝国劇場での新作ミュージカルを前に

2023.10.16

特集「時をつなぎ、進化する銀座へ」　かつて東京宝塚劇場で多くのファンを熱狂させ、2023年秋には帝国劇場での公演を控えている柚希礼音（ゆずきれおん）さん。銀座エリアでの観劇の楽しみ方や、新作ミュージカルへの思いを伺いました。前回の記事はこちら＞＞

柚希礼音さんが語る「銀座は、心ときめく私の舞台」

「今日は帝劇明日は三越」。これは1911年に銀座の玄関口、千代田区丸の内のお濠端に誕生した帝国劇場の公演パンフレットに掲載されていた三越の広告のキャッチコピーです。劇場に出かける前後にショッピングしたり、お茶や食事を楽しんだり、観劇を中心とした楽しい一日は、100年前も今も変わりません。

帝国劇場ロビーの“大階段”にて。「一段上がるごとに舞台への期待が高まるようです」と柚希さん。トップス31万9000円　パンツ33万円　イヤリング4万9500円ブレスレット25万3000円（参考価格）　バッグ68万2000円　靴17万500円／すべてジョルジオアルマーニ（ジョルジオアルマーニジャパン）

「帝国劇場や日生劇場、シアタークリエ、そして東京宝塚劇場のある銀座エリアには、よく観劇に出かけます。お芝居の前にカフェで待ち合わせをしたり、レストランやバーで感想をいい合ったり、観劇と“おいしいもの”は必ずセットになっています。宝塚歌劇団に在籍していた当時は出演後に近くで食事をすることがなかなか難しかったので、銀座を楽しむようになったのは退団してからですね」と、柚希礼音さん。

老舗や行きつけに加え、食通の友人などからの新しいお店の情報にも常にアンテナを張っているそう。

上・1911年の開場間もない頃。ルネサンス様式の美しい建物は憧れの的でした。下・1966年に落成した谷口吉郎設計の現在の帝国劇場。写真提供／東宝演劇部

大正3〜4（1914〜15）年頃の帝国劇場のパンフレットに掲載された三越の広告。画像提供／三越伊勢丹ホールディングス

「ミュージカルの殿堂でステージに立てることに今からワクワクしています」─ 柚希礼音さん

帝国劇場を象徴する猪熊弦一郎作のステンドグラスを背景に。「劇場内にはほかにも素敵な美術品がたくさん。建て替え後の劇場にも受け継がれるといいですね」と柚希さん。コンビネゾン40万9200円　靴11万4400円／ともにラルフローレンコレクション（ラルフローレン）　ネックレス50万6000円　イヤリング341万円　リング181万5000円　ブレスレット132万円／すべてブチェラッティ

2023年11月には帝国劇場で新作ミュージカル・ピカレスク『LUPIN～カリオストロ伯爵夫人の秘密～』に出演します。

「帝国劇場はミュージカルに携わる者なら誰もが憧れる由緒ある劇場。これまで『エリザベート』や『千と千尋の神隠し』などたくさんの作品を観劇してきましたが、実は出演するのは初めてです。2025年をめどに休館して建て替えになると聞いていたので、その前に出演させていただけるのは“間に合った！”という感じで本当に嬉しいですし光栄です。お客さまには作品はもちろん、由緒ある劇場空間のレトロで美しい雰囲気も楽しんでいただきたいですね」。

112年の歴史の中で数々の名舞台を上演してきた帝国劇場。上は『レ・ミゼラブル』、下は『エリザベート』。写真提供／東宝演劇部

作品で柚希さんが演じるのは、カリオストロ伯爵夫人。

「真風涼帆さんとのダブルキャストなので刺激を受け合いながらつとめたいと思っています。脚本・歌詞・演出を手がける小池修一郎先生と宝塚退団後初めてご一緒させていただくのも楽しみです。ルパン役の古川雄大さんとの対決にもご期待ください」

カリオストロ伯爵夫人が燕尾服姿を披露するとの情報も、宝塚時代からのファンには嬉しいかぎり。

「あくまで伯爵夫人という女性が変装する姿なので、男役としての黒燕尾とはまた違う表現になると思います。今の私ならではの格好良さを追求したいですね。見どころがたくさんある作品ですので、ランチやお茶をしてからご覧いただくか、ご覧いただいてから食事やお酒にするか。せっかくの銀座エリアでの舞台ですので、劇場に足を運んでいただくお客さまには観劇の前後に街ごと楽しんでいただきたいと思っています」