エンターテインメント

「こんな奇想天外で楽しい物語はないですね」中村又五郎さんが語る『天竺徳兵衛韓噺』

2023.10.20

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名作歌舞伎への招待状『天竺徳兵衛韓噺』

時代物から世話物まで幅広い役柄を演じ、所作事にも優れ、播磨屋の一門を支えている中村又五郎さん。2023年10月の鶴屋南北作の『天竺徳兵衛韓噺』では吉岡宗観を勤める。同作に出演するのは2度目。2019年に国立劇場で上演されたときには本作の梅津掃部を演じた。同じ作品の異なる役を勤めるわけだが、どんな思いで臨むのか。

「僕たちは代々先人たちが創り上げたものを受け継いで、それを守りながら演じています。同じ芝居で別の役を演じることがあっても、それは変わりません。先輩がたの中には“自分はこういうふうに演るけれども、もとはこうなんだよ”というお稽古をしてくださったかたはいらっしゃいます。教わったそういう部分を守っていけたらいいのかなと思います。僕が初役で勤めるときには、まずは教わったことをできないなりに寸分違わず演じることを心がけています。最初は役に徹して、自分の存在を出してはいけないという思いがあるからです。これから先、型を守りながらも、何度も勤めさせていただくうちに、いつか“僕の雰囲気”のようなものをお客さまに感じ取っていただけたらいいですね」

『菅原伝授手習鑑 車引』の松王丸。2018年7月、大阪松竹座。©松竹

『菅原伝授手習鑑 車引』の松王丸。2018年7月、大阪松竹座。©松竹

『天竺徳兵衛韓噺』は江戸時代初期に東南アジアへ渡航して見聞録を残した実在の人物をモデルに独特の世界観を描いた作品。1804年に初演されてから改変を重ね、のちにケレン味がある作品として南北の出世作ともなった。


「こんな奇想天外で楽しい物語はないですね。父の亡霊から妖術を授かった徳兵衛が、その妖術を使って日本を転覆させようとします。そして大ガマが出現したり、舞台上の建物が倒れる“屋台崩し”という仕掛けを使ったり、エンターテインメント性の高い作品です。ずっと昔に芝居小屋を使ってでき上がったこうした演出を、そのまま現代の劇場でご覧いただけることも歌舞伎の魅力だと思います」


中村又五郎さん
1956年、東京都生まれ。1964年7月歌舞伎座『偲草姿錦絵』「忠臣蔵八段目」の奴ほかで中村光輝を名乗り、初舞台。1981年6月歌舞伎座『船弁慶』の静御前・知盛の霊などで3代目中村歌昇を襲名。2011年9月新橋演舞場『菅原伝授手習鑑 寺子屋』の武部源蔵、『菅原伝授手習鑑 車引』の梅王丸などで3代目中村又五郎を襲名。

〔今月の歌舞伎〕

【歌舞伎座】
歌舞伎座新開場十周年
錦秋十月大歌舞伎

〜2023年10月25日
●昼の部 11時開演
一、『天竺徳兵衛韓噺』 二、『文七元結物語』

●夜の部 16時30分開演
一、『双蝶々曲輪日記 角力場』 二、『菊』 三、『水戸黄門 讃岐漫遊篇』

1等席1万8000円ほか
チケットホン松竹:0570-000-489

【御園座】
片岡仁左衛門 坂東玉三郎
錦秋特別公演

~2023年10月24日 14時開演
一、『東海道四谷怪談』一幕 二、『神田祭』清元連中
出演は片岡仁左衛門、坂東玉三郎、中村隼人、片岡千之助ほか。

A席2万2000円ほか 
御園座チケットセンター:052(308)8899

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年11月号

家庭画報 2023年11月号

撮影/岡積千可 構成・文/山下シオン

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