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ゲランとミツバチの美しい関係。「知る」から始まるサステナビリティ

2023.10.13

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持続可能な開発目標(SDGs)達成のための取り組み、サステナビリティへの関心がグローバルで高まる現在。ラグジュアリー業界で活動を牽引する「ゲラン」のサステナビリティ チーフ オフィサー、セシル・ロシャールさんが来日。イノベーティブな取り組みについてお話を伺いました。

ゲラン サステナビリティ チーフ オフィサー 
セシル・ロシャールさん

パリ・ドフィーヌ大学でサステナブル・ディベロップメント、エセック・ビジネススクールで営利及び非営利におけるプロジェクトマネジメントのダブルマスターを取得。金融界でキャリアをスタート、世界自然保護基金(WWF)で8年にわたり活動し、ラグジュアリーと環境をめぐるテーマのスポークスパーソンとして活躍する。ラグジュアリーブランドのCSR戦略策定を行うコンサルティング会社を設立。2015年、LVMH傘下のスキンケアブランド「チャリン」のサステナブル ディベロップメント&コミュニケーション ディレクターに就任。19年、生物多様性プログラム&サステナブル コミュニケーション マネージャーとしてゲランに入社し、20年9月より現職。

製品に透明性をもたらす 

今年5月、ゲランのトレーサビリティプラットフォーム「ビー リスペクト(BEE RESPECT)」の日本版がローンチ。スキンケアやメイクアップ、フレグランス、限定品をのぞくすべての製品の成分や産地、パッケージの構成要素、輸送、販売、使用後のリサイクルにいたるまで、製品にまつわる全情報を収集できるという、かつてないユニークな取り組みです。

「私たちが“製品のライフサイクル”と呼ぶ、『その製品がいつ、どこで、誰によって作られたのか』をより幅広く、よりクリアに共有するためのツールです。ゲランの製品が環境と社会へ与える影響を継続的に改善するために不可欠な情報源でもあります。なぜそこまでするのかと問われますが、これは使命感ではなく、また市場に後押しされるということでもなく、まず先行して挑戦することが大事で、ラグジュアリーは外に開かれているべきと考えました。フランスで2019年に開始したときは、製品の舞台裏を見せるということは、ラグジュアリーの常識に反することで少し勇気がいりましたが、リリースしてみると、お客さまの、それからジャーナリストたちの反応も素晴らしく、ゲランは隠し事が何もないメゾンなのだと好意的に受け止めてくださいました」


 

「ビー リスペクト(BEE RESPECT)」は、ゲラン日本公式サイトからアクセスできる。例えばアベイユ ロイヤル アドバンスト ウォータリー オイルの核となるハチミツの原料を調べてみると、フランス・ウェッサン島のウェッサンハニーに加え、フィンランド・オーランド諸島のオーランドハニー、ギリシャのイカリアハニー、フランス・コルシカ島のコルシカハニーが使われていることがわかる。製造に要するエネルギー量や、スポイト1本の原産地までわかるという徹底ぶり。ネーミングもミツバチへの深い思いが込められている。https://guerlain.respect-code.org/ja-JA

サステナブルはゲランのDNAである

成分のみならず、構成要素が多岐にわたるため、サステナビリティの実現が難しいとされていたビューティブランドにおいて、ゲランが先駆者であり続けている理由を伺ってみると、「1828年の創業から200年近く続くメゾンの歴史にある」とセシルさんは言います。

「ゲランと自然の関係は非常に深く、その自然からの恩恵を還元し守ることは必然の選択でした。そしてメゾンを象徴するミツバチです。ミツバチは、『再生』を意味します。ゲランのフレグランスに必要な花や植物も、彼らが受粉してくれないと何も始まりません。創業当初より、植物や養蜂のエコシステムが永続的に保証されるかどうかが、製品の品質に関わることを深く理解していたので、持続可能な調達を先行して行っていたのです。ゲランは16年前からサステナビリティ戦略をスタートしていますが、私の前責任者は実はマスターパフューマーであるティエリー・ワッサーでした。世界中を旅し、常に自然そのものと深い関係にあるものですから。とてもゲランらしいエピソードです」

 

10のパートナーシップにより、メゾンの歴史的なシンボルであり、環境の見張り番であるミツバチと生物多様性の保護に取り組む。近年は、ユネスコや現地のNGOと連携した女性養蜂起業家育成プログラム「ウーマン・フォー・ビー」や、小学生がミツバチについて学ぶ「ビー スクール」の開設など、ポジティブなインパクトをもたらす社会貢献を続ける。

フレグランスをさらにサステナブルに

「もう一つ、これまで取り組んできた活動の中で、最も誇りに思っていることを伝えさせてください。フレグランスの原材料のほとんどを占めるアルコールを、オーガニックのアルコールに変更したことです。これまでは、ビーツ由来のもの使っていましたが、ロックダウンの時期に、フランス政府が農業者に対して、例外的に農薬を使っていいという許可を出しました。右手ではミツバチを保護すると言って、左手ではミツバチを殺す可能性のある農薬を使うことは両立しないですよね。 私たちとしては、農薬を使わない有機ビーツ由来のアルコールの調達を決めたのです。最初は「アクア アレゴリア」からスタートしましたが、今後はすべてのフレグランス製品がオーガニック アルコールに切り替えられます」

サステナブルを体現したフレグンラス「アクア アレゴリア」の最新作は、より力強いオーデパルファン「アクア アレゴリア フォルテ」に加わった3種のウッディノート。〈左から〉エモーショナルな夕暮れのビーチの香り〈ボスカ ヴァニラ〉、魅惑的で高貴なバラ色の木の香り〈ローザ パリッサンドロ〉、シトラスとウッドの大胆な組み合わせ〈ウード ユズ〉各75ml 各1万6720円/すべてゲラン


ビーボトルにインスパイアされたボトルは、透明性を失うことなく、15%のリサイクルガラスを使用。全製造工程がフランス国内で行われている。スプレー部分は手で外し、リフィルすることが可能。リフィル 各200ml 各2万6950円/ゲラン

「知る」から始まるサステナビリティ

ユーザーが化粧品を選ぶ新しい基準ともいえる「サステナビリティ」。今まさに、転換期を迎え、今後もこの取り組みが加速していくことは間違いありません。

「読者のみなさまには、ご自身が買うものに対して関心を持つことの大切さをメッセージしたいと思います。例えばスキンケア製品を選ぶときも、どのような効果があるかだけではなく、どういった材料が使われ、どういった製造工程になっているのかも含めて、好奇心を持って製品を選んでいただきたいのです。“購買力”という言葉があるように、お客さまには力があるわけですから、その力を使うには、知識が必要だと思います。私たちのミツバチの保全活動においても、ミツバチを守るために、まず彼らを知ることから活動を始めました。知らないものを愛することができない、守ることもできません。まず知ること、自分と関わるものへの知識を蓄えることが、守ることに繋がる。それがサステナビリティへの一つのアクションになるのです」

お問い合わせ/ゲランお客様窓口
フリーダイヤル 0120-140-677
URL:https://www.guerlain.com/jp/

取材・文/今井田留実(家庭画報本誌)

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