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保険適用での「がん遺伝子パネル検査」は1回。早い段階で担当医と相談を

2023.10.16

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がんまるごと大百科 第10回【がん遺伝子検査編】(03) 薬物療法に付随して、採取したがん細胞の遺伝子異常を調べるがん遺伝子検査が行われるようになっています。がん遺伝子検査の種類や意義などについて、国立がん研究センター 中央病院 先端医療科 科長の山本 昇先生に伺います。前回の記事はこちら>> がんまるごと大百科一覧>>

進行がんで薬物療法が始まったら、がん遺伝子パネル検査を早めに受けたい

山本 昇(やまもと・のぼる)先生

国立がん研究センター 中央病院 副院長 先端医療科 科長。1991年広島大学医学部卒業。1995年国立がんセンター(現・国立がん研究センター)中央病院に入職。2011年に同病院呼吸器内科・病棟医長となり、2013年から先端医療科 科長、2019年から副院長・臨床研究支援部門長、2023年から臨床開発推進部門長。

保険適用での検査は1回。早い段階で担当医と相談を

「がん遺伝子パネル検査を保険適用で受けられるのは1回だけです。そのため、検査を受けるタイミングは非常に重要です」。

山本先生によると、臨床研究の結果では、参加者の10パーセントほどが、がん遺伝子パネル検査を受けたものの、結果が出て、治療が始まる前にがんの進行などで治療を受けることができなかったそうです。


「検査のための初診から、検体を採取し、遺伝子解析の結果が出るまでには約1か月、その後、治療方針を決めて、治療を始めるまでにも1か月ほどかかります。特に国際共同臨床試験に参加する場合には、手続きに時間を要します」。

多くのがんの治療方法は標準化されており、診療ガイドラインという形にまとめられています。そこでは、最初に使うべき薬あるいは薬の組み合わせ(一次治療)、次に使う薬あるいは薬の組み合わせ(二次治療)がおおよそ決められています。がんによっては5番目、6番目ともっと先までの目安があります。

薬物療法が始まる一次治療の前の段階でのがん遺伝子パネル検査は保険適用されていません。ただし、前述のように「標準治療の終了見込みとして、標準治療が終わる前までの早いタイミングでがん遺伝子パネル検査を受けることができます」と山本先生。

「うまくいけば、二次治療以降の治療として、より自分のがんの遺伝子異常に合う薬を使える可能性があります。進行がんで薬物療法を受けることになった場合には、早い段階でがん遺伝子パネル検査について担当医と相談しておくことをおすすめします」。

がんゲノム医療を知るのに役立つサイト

■がん情報サービスがんゲノム医療とがん遺伝子検査
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/genomic_medicine/genmed01.html

■国立がん研究センター中央病院がんゲノム医療
https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/genome/index.html

■国立がん研究センターがんゲノム情報管理センター(C-CAT) がんゲノム医療とがん遺伝子パネル検査
https://for-patients.c-cat.ncc.go.jp

連載記事一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2023年10月号

家庭画報 2023年10月号

取材・文/小島あゆみ

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