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〈最終回〉ヤッコマリカルドからすべての人へ――「いくつになってもファッションは楽しい!」

2023.09.26

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デカマリと素敵な仲間の45年 私たちのニッポンファッション革命 Vol.23 人生をアートする、女性経営者・母娘対談(其の2)

デカマリと素敵な仲間の45年
私たちのニッポンファッション革命

天然素材を美しい色合いに染め上げた着心地のよい服で愛されるブランド「ヤッコマリカルド」を中心に、さまざまな事業を手がけている「ワイエムファッション研究所」。渡邊万里子会長は80代の今も、感度の高い発信を続ける“ファッションビジネス界のレジェンド”と呼ばれる存在です。日本発のお洒落を元気づけてきたエピソードを伺ってきた連載も今回が最終回。万里子の娘であり、社業を継いだ新社長、青との「未来に向けた対談」をお届けします。


Vol.23 人生をアートする、女性経営者・母娘対談(其の2)

──ヤッコマリカルドの代名詞ともいえるピンタックは、その細かさと芸術性で他の追随を許さぬ美しさで知られています。素材によるご苦労などあるのでしょうか?

万里子(以下M) ストレッチ性のある素材は、染色もさることながら、細かいピンタックを施すのが実はとても難しいのです。ヤッコマリカルドはカットソー素材に細かいピンタックを施せる技を磨いて、さらに人気アイテムを増やしました。

青(以下S) 身頃と袖で素材を替えるなどして、1着の中にカットソー素材と布帛をミックスするデザインにも早くから取り組み、ご好評いただいています。着心地がよいのはもちろんですが、服の表情もぐっと豊かになります。

ピンタックにパッチワーク──異なる要素を重ねた新作コレクションをそれぞれの個性で装って。

ピンタックにパッチワーク──異なる要素を重ねた新作コレクションをそれぞれの個性で装って。

異なる要素のケミストリーから学ぶこと

──異素材の組み合わせのほか、ピンタックとパッチワークといった異なる技法を1着の中に掛け合わせたデザインは、アート性や知的な遊び心をまとうような感覚も味わえて楽しいものです。青社長による総指揮は、服にも組織体制にもクリエイションが発揮されて、“さりげなくかつ大胆で効果的な”改革が見事に実現されていますね。



S 服作りは連携で成り立っています。チームワークを大切にしながら、改革・活性化を進めるには、長々と方向性の説明を続けるよりも、ポン!と新メンバーを1人配置することでチーム全体によい効果が生まれることもあります。また、女性率99.9%の会社なので、出産や育児、介護などの時期がいっせいにチーム内で重なることを避けるためにも、同世代に偏ることのないチーム編成の配慮が必要だと考えています。

M うちは長く勤めあげる人が多い会社ですから、それぞれのワークライフバランスを長期的な目で整える意識を常に大切にしてきました。

世界をぐっと引き寄せるデカマリ流ビッグスマイル

──日本でもタイでも、万里子会長は時代に先んじて“女性の働く環境”を整えてこられました。世界を相手に、前例のないこと、斬新なアイディアをゼロから理解してもらうために大切なことは何でしょうか。

その笑顔で、国境も言語の壁も越えて誰をも魅了する万里子。

その笑顔で、国境も言語の壁も越えて誰をも魅了する万里子。

M 相手の目線をとらえて、誠実に正直に交渉するということ。必要以上に自分を大きく見せようとしないことです。と同時に“顔の表情”には気をつけました。まだ若かった頃のことですが、NYで自分では普通にしているつもりでも「マリコ、どこか具合悪いの?」「機嫌悪いの?」と立て続けに言われて気づいたんです。日本にいる時のままの表情では、周りを不安にさせたり気を使わせてしまう。明るくフレンドリーな笑顔でいることがマナーなのだ、と。でも作り笑いや媚びた表情にならないように、鏡の前でかなり練習しました(笑)。その結果、笑顔と声のトーン、身体的なアクションもできるようになりました。

S それは初めて聞いたかもしれない。鏡を見ながら練習した成果だったというのは。若いスタッフたちにも聞かせたい話です。もっともっと彼らには“コミュニケーション能力”を上げてほしい。服作りに関わる者は“表現の幅”を広げる意味でも、人と人のやりとりがとても大切だと考えているので。

──実際に会って話す時はもちろんですが、リモート会議など画面越しでの国内外のコミュニケーションが急増した時代でもあり、ハッキリかつ豊かな表情でのコミュニケーションが大切かもしれませんね。

S タイのヤッコマリカルドでは、慈善事業への取組みにとても熱心です。日本でもメセナ活動としてボランティアに取り組んでいきたいと考えています。善意の押し付けにならないように、相手方が本当に求めていることをこまやかに読み取るコミュニケーションが“真のボランティア”には必要。そういう面からも、スタッフたちが全身に緊張感をもつ経験は学びも多いだろうと思うのです。

ロンドンでの経営実績を経て帰国。日本で社長業を引き継いだ後も、青の見つめる先には国を超えた世界が広がっている。

ロンドンでの経営実績を経て帰国。日本で社長業を引き継いだ後も、青の見つめる先には国を超えた世界が広がっている。

境界線のない服をめざして

S とてつもなく大きな夢かもしれませんが、私はヤッコマリカルドの服が、世代や国境を超えるだけでなく、ジェンダーも環境も超えて、地球上のあらゆる人に「着たい!」と思われることをめざしています。

──万里子会長とリカルドさんが、同じアイテムをそれぞれの個性で着こなしている“さりげないペアルック”が掲載された時も話題を呼びましたし、刺激を受けた方々も多いのではないでしょうか。

M ファッションはいくつになっても楽しい。人は誰でもエイジングによる身体の変化が起こる時がきます。その中でも着こなしに工夫をこらしていくのは面白いことです。ワイエムファッション研究所は、これからも広い視野でチャレンジを続けてまいります。

──ファッションからカルチャー、海外でのコミュニケーションまでデカマリ会長の示唆に富んだお話を伺う連載も今回が最終回。またお目にかかれる日をどうぞお楽しみに!

ヤッコマリカルド公式オンラインショップ

E-mail onlineshop@ym-fashion.co.jp

“今”を自由に生きる人が、その個性を素敵に輝かせられるように。1977年創立の「ヤッコマリカルド」は心地よく着られる天然素材にこだわり、絶妙な美しい色合いの染めはもちろん、こまやかなピンタックなどの手仕事を軸とした丁寧なものづくりをしています。装う人の年齢を超越するような、リラックス感を伴ったモードスタイルに出会えます。

URL:https://www.yaccomaricard-online.jp/


渡邊万里子(わたなべ まりこ)

渡邊万里子(わたなべ まりこ)

「ワイエムファッション研究所」会長。「ヤッコマリカルド」では、ヨーロッパはロンドンを拠点に、アジアではタイ国内に15店舗、中東のクウェート、アメリカはニューヨークと、国外にも商品を展開。タイの自社工場を中心に海外はインドなどに協力工場を複数持ち、グローバルに活躍している。1938年(昭和13)北海道小樽市生まれ。84歳の今も元気に、プライベートな時間にはトレーニングジムへ通う。“発想のスケールが大きなマリ”という意味でいつしかニックネームは「デカマリ」に。明るく豪胆な人柄を慕うファン層が、業界や年代を超えて広がっている。

公式Instagram:@dekamari_ymfashion

写真提供/ワイエムファッション研究所 取材・文/大杉美氣 撮影/大見謝星斗

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