なぜ「SUV」はこんなに人気？ 自動運転は暮らしを変える？ 今、気になるクルマのQ＆A

〔特集〕クルマは人生を彩るパートナー　私の愛車物語　
行きたいところへ自ら行ける大事な移動ツールであり、自分だけのくつろぎ時間を作り出せるプライベート空間。クルマは人生を豊かに彩ってくれる大切なパートナーです。俳優の常盤貴子さんや素敵なクルマと出会えた皆さんの“愛車物語”をご紹介。押さえておきたい話題もお届けします。前回の記事はこちら＞＞

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今、気になるクルマのQ＆A

ナビゲーター　飯田裕子さん（自動車ジャーナリスト）

Q　なぜ「SUV」はこんなに人気？

〔From England〕アストンマーティン「DBX707」は高性能エンジンとスポーティな外観が魅力。

〔From England〕ベントレー「ベンテイガ」は豪華な内装とデザインが特徴。力強くも快適な乗り心地を楽しめる。

SUV（スポーツ・ユーティリティ・ビークル）は、かつてRV車が主流だった時代に、その実用性を継承しつつ、乗用車の使いやすさと走行性能を兼ね備えたクルマとして誕生しました。

1990年代後半、トヨタのハリアーやレクサスのRX、BMWのX5などがアメリカ市場で成功し、SUVの魅力が広く認識されました。近年のSUV人気の背景には、スタイルの新鮮さと開放的な空間、そして実用性があります。高い着座位置による良好な視界が、運転操作のしやすさにもつながります。

また、SUVはラグジュアリーモデルやスーパースポーツカーの世界にも新風を吹き込んでいます。ブランドへの憧れはそのままに、4～5人乗りという実用性がブランドとの距離を縮め、若い世代や女性へと幅広い層に新たな価値を提供しています。

〔From Italy〕フェラーリ「プロサングエ」はレーシングDNAとイタリアンデザインが融合したモデル。

〔From Italy〕ランボルギーニ「ウルス・ペルフォルマンテ」は高出力エンジンと優れた操縦性を持つ。

Ｑ 自動運転は暮らしを変える？

国土交通省からスマートシティのモデルプロジェクトに選定された羽田空港隣接の「羽田イノベーションシティ」にて、自動運転走行の実験を行うEVバス。2020年9月から定常運行。写真提供／BOLDLY

交通事故ゼロ、死亡事故ゼロを目指すことはもちろん、渋滞の解消や緩和、少子高齢化を背景とするこの先のトラックドライバー不足の改善、車が個人の移動の“足”である地方部の高齢者の移動手段の確保など、自動運転技術を搭載する「乗り物」は、さまざまな課題を解決するものとして期待が寄せられています。

国土交通省によると自動運転技術を実装した「乗り物」による実証実験は今年、全国30か所程度、2027年には100か所以上で行う予定だそうで、適材適所ならぬ“適車適所”の実現につながるのだと思います。

自動運転車には、例えば人間のように操車するための認知／判断能力、車とそれ以外のさまざまな事物がつながり情報収集／発信を行うためのIT技術やサイバーセキュリティ対策など車の従来領域を超えた新技術が必要といわれています。そのため個人所有の乗用車が完全な自動運転車となり、自由に移動ができるようになる世の中はまだ先のようです。

一方で、現在、各自動車メーカーは多くのクルマへのさまざまな「運転支援システム」の搭載を進めています。現代を生きる私たちが安全で快適な移動を叶えるためには、まずは最新の技術を備えているモデルを選ぶことが最善の策といえるでしょう。