もっとたっぷり夏野菜を食べたい! 日本料理の名店「六雁」の店主・榎園豊治(えのきぞの・とよはる)さんに、今すぐ作れる、簡単でおいしい夏野菜料理のレシピを教わります。 ※この記事は、2021年7月~2022年6月に家庭画報.comで連載した「野菜料理の“ちょっとしたコツ”365」を再編集した書籍『銀座 六雁 野菜料理のすべて』からの抜粋になります。
本当においしいかゆ、青じその醤油漬け添え
【器名】黒釉丸皿、白磁小判皿、黒釉手付粥鍋文/榎園豊治おかゆに対してあまりいい印象がないという方は、本当においしいおかゆに出会っていないのかもしれません。冷やご飯に水を加えてグツグツ炊いたものは、本来のおかゆとは別もの。
「人は粥を待てるが、粥は人を待たない」という格言があるように、米から時間をかけて炊いたおかゆのおいしさは、でき上がったその刹那(せつな)を逃さずに食べてこそわかるものなのです。
そのピークはわずか2~3分。かゆは、料理屋ではなく家庭だからこそ味わえる最高の美味なのです。食欲がない夏の朝、クーラーが効いた部屋で、おかゆを食べてみませんか。これまで抱いていたおかゆの印象が大きく変わるはずです。
本当においしいかゆ(写真右)
■材料(3人分)
・米…1カップ(1合)
・水…7カップ(1260cc)
・塩…少々
■作り方
1)米はかゆを炊く30分以上前にといで、10分ほど水につけた後、ざるに上げておく。米のとぎ方は通常と同じ。
2)熱が全体に回りやすい土鍋(なければ蓋付きの鍋)に、米と分量の水を入れて蓋をして火にかける。
3)沸いたらとろ火にし、蓋を少しズラして、40~45分くらいかけてゆっくり炊く。
4)炊き上がって、ふっくらと米の粒が花が咲いたように開いたら、ごくごく少量の塩を加えて飯粒がくずれないように、一度だけさっとかき混ぜ火を止め、すぐに供する。
※3分もすると水気がなくなりだし、ベタついてくるのですぐに食べる。
青じその醤油漬け(写真左)
■材料(作りやすい分量)
・青じそ…20枚
・日本酒…50cc
・濃口醤油…50cc
■作り方
1)青じそは洗って、茎の部分を切り落とす。
2)鍋に日本酒を入れて火にかけ、煮きってアルコール分をとばす。いつまでも火にかけていると蒸発するので、軽く煮きる感じでよい。
3)2が冷めたら濃口醤油と混ぜ合わせ、ジッパー付き保存袋などに入れ、青じそを入れて密閉する。3時間ほどで漬かる。冷蔵庫で4~5日は日持ちする。
※刺激やこくが欲しい場合は3で唐辛子とサラダ油を数滴加える。
※冷やご飯があれば焼きおにぎりにしてもおいしい。
永久保存版。プロが教える、プロよりおいしく作れる野菜料理のコツ『銀座 六雁 野菜料理のすべて』
5500円(世界文化社)
予約の絶えない日本料理店「六雁」の店主 榎園豊治さんによる野菜料理大全。春夏秋冬の旬の野菜だけを使った料理を423品紹介しています。煮る、焼く、揚げるから野菜のデザートまで、家庭だからこそおいしく作れるコツが満載です。器づかい、盛りつけの美しさも堪能できる、永久保存版の1冊です。
榎園豊治(えのきぞの とよはる)
「六雁」店主。銀座並木通りにある日本料理店「六雁」初代料理長。京都、大阪の料亭・割烹で修業を積み、大津大谷「月心寺」の村瀬明道尼に料理の心を学ぶ。その後、多くの日本料理店で料理長を歴任、平成16年に銀座に「六雁」を立ち上げた。野菜を中心としたコース料理に定評がある。
「六雁(むつかり)」東京都中央区銀座5-5-19 銀座ポニーグループビル6F・7F
電話 03‐5568‐6266
営業時間 17時30分~23時
定休日 日曜日、祝日
(営業時間は変更になることもあります。事前に店舗にご確認ください)
URL:
http://www.mutsukari.com
撮影/大見謝星斗
『銀座 六雁 野菜料理のすべて』より。