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更年期から気をつけたい白内障、緑内障、ドライアイ。女性がなりやすいのはなぜ?

2023.06.28

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天野惠子先生のすこやか女性外来 第14回(02)北極圏への旅行中に強い紫外線を浴び、白内障の手術を受けた経験をお持ちの天野先生。「目の健康はとっても大事。眼科検診を忘れずに」との言葉に実感がこもります。目の病気は概して男性より女性に多く、エストロゲンの減少がリスクになることも。眼疾患の中でも患者数が多く、更年期以降の女性が気をつけたい3つの病気を取り上げます。前回の記事はこちら>>

クリアな視界は脳を活性化させる。更年期から気をつけたい目の病気:白内障、緑内障、ドライアイ


天野惠子先生
天野惠子先生

静風荘病院特別顧問、日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。1942年生まれ。1967年東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。東京大学講師、東京水産大学(現・東京海洋大学)教授を経て、2002年千葉県立東金病院副院長兼千葉県衛生研究所所長。2009年より静風荘病院にて女性外来を開始。

目の構造



目の構造

*目の圧力(眼圧)は角膜と水晶体の間を満たす房水で調整されている。房水は毛様体で作られ、隅角を通って主にシュレム管から排出される。

白内障


●水晶体が濁り視力が低下
●主な原因は加齢
●女性の総患者数は100万人超え


成分のたんぱく質が酸化して水晶体(外からの光を集めてピントを合わせるレンズの働きをする)が濁り、視力が低下する病気が白内障です。

加齢とともに増え、総患者数は女性108万6000人、男性62万9000人(『国民衛生の動向2022/2023』)と女性に多く、紫外線や糖尿病なども原因となります。

水晶体の中心部から濁る核白内障、周囲から濁る皮質白内障、後ろの部分から濁る後嚢下(こうのうか)白内障などの種類があります。

症状
·見えにくい、かすんで見える
·二重、三重に見える
·眼鏡やコンタクトレンズの度数が変わる
·まぶしい
·目が疲れる、頭痛がする など

緑内障


●視野が少しずつ欠けていく
●早期発見・早期治療が大事
●40歳以上の20人に1人の有病率


緑内障は何らかの原因で眼圧が上昇し、視神経が障害されて視野が狭くなる病気です(日本人には眼圧が正常な正常眼圧緑内障も多い)。

初期に自覚症状はなく、気づいたときは相当進んでいることも。障害された視神経は戻りません。

40歳以上の5パーセントと有病率が高く、失明原因の第1位である緑内障は、眼科検診による早期発見と点眼薬などで進行を抑える治療が何よりも大事です。

症状
·初期では自覚症状はない
·かなり進んでから見えない場所が出現する、視野が狭くなる など

ドライアイ


●女性の目は乾きやすい
●加齢、スマホ、コンタクトレンズ、エストロゲンの減少も原因に


涙の量が不足したり、質が変化して涙が瞳に均等に行きわたらなくなる病気がドライアイです。

症状は、目が乾く、ゴロゴロするなどで、加齢のほかパソコンやスマホの見過ぎ、コンタクトレンズの使用、ストレスなどが指摘され、エストロゲン不足も関係するといわれています。

シェーグレン症候群という自己免疫疾患で目が乾くこともあるので、症状に思い当たるときは放置せず眼科を受診しましょう。

症状
·目が乾く
·目がかすむ
·まぶしい
·目が疲れる、痛い、ゴロゴロする
·目が充血する
·目やにが出る など

ドライアイ、緑内障と女性ホルモンの関係は?

エストロゲンは“目を守る”
エストロゲンには全身に潤いを保つ働きがあります。目が乾くドライアイは、ドライスキン、ドライマウス、ドライバジャイナ(腟の乾燥)と並ぶ更年期のドライシンドロームの一つといわれています。

また、最近の研究で、エストロゲンが緑内障の視野欠損に関係する網膜神経節細胞の酸化反応を抑制し、視神経を保護している可能性が明らかになっています。

次回へ続く>>>


*NPO法人性差医療情報ネットワーク「女性外来マップ」では、女性外来を開設している医療機関(2018年現在約300か所)のリストを公開。
URL:http://www.nahw.or.jp/hospital-info

*「女性外来オンライン」(天野惠子先生主宰)では、天野先生ご自身が厳選した女性の健康の回復や維持に役立つ信頼性の高い情報を発信しています。

公式サイト「女性外来オンライン」:https://joseigairai.online/

YouTube「女性外来オンラインチャンネル」はこちら>>

天野惠子先生のすこやか女性外来

1「更年期は女性の体の“変化のはじまり”」
1−1 更年期と“その後”の元気のために、体の変化を知りましょう
1−2 女性の健康の守り神・エストロゲンがゼロになったら、生活習慣で補いましょう
1−3 更年期の不調や病気予防に! 女性医療の先駆者が教える生活習慣の「基本5か条」
1−4 女性外来を訪ねて「伊豆美レディスクリニック」

2「だるさ、頭痛、冷え、動悸も。更年期の不調は全身に」
2-1 10年間、我慢するのはもったいない。自分に合う対処法を見つけましょう
2-2 更年期の症状が全身に出るのはなぜ? 訴えの多い10の不調と対処法
2-3 更年期症状の程度を知り、適切な対処法を。専門医も使う簡易テストでセルフチェック!
2-4 女性外来を訪ねて「春日クリニック」

3「不眠、イライラ、うつ、思考力低下。更年期は心も脳も不安定」
3-1 不眠、イライラ、うつ、思考力低下…。更年期のメンタルの不調を正しく知ろう
3-2 更年期のメンタルヘルスを左右する3つの物質とは。減少すると起こる不調は?
3-3 更年期のメンタルを改善するには? 症状に応じた漢方薬や生活習慣の見直しを
3-4 女性外来を訪ねて「こころとからだの杉本クリニック」

4「女性の元気を支える“骨・筋肉・血流”の三本柱」
4-1 更年期以降の人生を健やかに過ごすには、“骨・筋肉・血流”の三本柱が大切です
4-2 骨量と筋肉量は何歳からでも改善できる! まず年齢による変化を知りましょう
4-3 脳と心臓の健康を保つカギは「血流」。動脈硬化を防ぐために注意したい3つのリスク
4-4 女性外来を訪ねて「和歌山ろうさい病院 女性専門外来」

5「骨粗しょう症を予防し、“転んでも折れない骨”をつくる」
5-1 骨粗しょう症を予防するために、骨量維持は更年期女性の重要な“ミッション”!
5-2 “女性であること”が骨粗しょう症のリスク!? 骨量減少に気づくために5年に1度の骨密度検査を
5-3 骨は自分でつくるもの。骨粗しょう症を防ぐために、実践したい食事と運動とは?
5-4 女性外来を訪ねて「アットホーム表参道クリニック」

6「“高血圧なんて関係ない”は大きな間違い。今から減塩を」
6-1 自分には関係ないと思っていませんか? 更年期以降、誰にも高血圧のリスクが生じます
6-2 加齢とともに女性の血圧は3段階で変化します。自分の“高血圧リスク”を知って対策を
6-3 血圧を下げるための7か条とは? 自然に減塩できる野菜スープのレシピも
6-4 女性外来を訪ねて「山梨県立中央病院 女性専門家」

7「心筋梗塞や狭心症のリスクを高める女性の糖尿病」
7-1 女性の糖尿病は男性以上に高リスク! 更年期以降は血糖値を上げない生活を
7-2 血管に及ぼす影響は大! 女性こそ注意すべき「糖尿病」とはどんな病気?
7-3 自分の“糖尿病リスク”を知って、今から対策を! 実践したい生活習慣もご紹介
7-4 女性外来を訪ねて「ソフィア北円山クリニック」

8「女性の脂質異常症は、過剰に怖がらなくて大丈夫」
8-1 コレステロールも中性脂肪も必要な栄養素!? 性差で考える“女性の脂質異常症”
8-2 更年期以降の女性は脂質異常症になりやすい体に。コレステロールが増えても慌てないで!
8-3 コレステロールは自力でコントロール! 薬の前に生活習慣を改善しましょう
8-4 女性外来を訪ねて「順天堂大学医学部附属浦安病院 女性専用クリニック」

9「更年期から気をつけたい心臓の血管にかかわる病気」
9-1 更年期以降増え始める女性の「狭心症・心筋梗塞」。気をつけたい心臓の血管にかかわる病気
9-2 更年期以降気をつけたい「狭心症・心筋梗塞」とはどんな病気? 男性との違いも解説
9-3 狭心症・心筋梗塞の症状には性差が! 女性の症状は広範囲に及び、診断されにくい
9-4 女性外来を訪ねて「高知いちょう医院」

10「動悸は更年期以降によくある症状。心配のいらない加齢現象です」
10-1 動悸は自律神経の乱れで生じる、更年期症状の一つ
10-2 「動悸・息切れ、不整脈」は中高年女性に多く、精神的ストレスの影響も
10-3 動悸・息切れが起きたときの対処法や予防法
10-4 女性外来を訪ねて「西松園内科医院」

11「20年後、30年後の元気のために更年期から脳卒中の予防を」
11-1 くも膜下出血は女性に多い。50歳になったら全身の健康チェックを行いリスクを洗い出しましょう
11-2 脳卒中には血管が詰まるタイプと破れるタイプがある
11-3 家族歴のある女性は特に気をつけたい「くも膜下出血」
11-4 女性外来を訪ねて JCHO久留米総合病院 女性総合診療科「なでしこ」

12「今から始める認知症対策。恐れるより、まず知ることからを」
12-1 女性はリスクが高いからこそ、“ならないための心がけ”が大事。予防の一歩は正しい知識から
12-2 認知症の7割近くはアルツハイマー型認知症
12-3 更年期の物忘れは、認知症とは違います
12-4 女性外来を訪ねて「岡山中央病院セントラル・クリニック伊島 ウィミンズメディカルセンター」

13「認知症は“生活習慣病”です。予防のために今、できること」
13-1 認知症は“生活習慣病”です。日常生活の改善と難聴対策も忘れずに
13-2 研究からわかった認知症のリスク要因
13-3 天野先生がすすめる5つの認知症予防策
13-4 女性外来を訪ねて「京都大学医学部附属病院 産科婦人科 ヘルスケア外来」

14「更年期から気をつけたい目の病気白内障、緑内障、ドライアイ」
14-1 更年期から気を付けたい3つの目の病気。50歳を過ぎたら毎年眼科検診を
14-2 更年期から気をつけたい白内障、緑内障、ドライアイ
14-3 目の病気の原因は「加齢」だけではありません。リスクと対策
14-4 女性外来を訪ねて「回生病院 女性漢方外来・ペインクリニック科」
イラスト/佐々木 公〈sunny side〉 取材・文/浅原須美

『家庭画報』2023年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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