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【声に出してみたい古典】「星合(ほしあい)の夜」とは?ふたつの星が逢瀬を遂げる日

2023.06.29

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7月・星合(ほしあい)の夜

風雅和歌集

訳)夜も更けたようだ。二星の逢う七夕の空にかかっていた月も沈んで、秋風に庭の灯火が揺らめいた

作者光厳院(光厳天皇。1313~64年)は、南北朝時代の北朝の天皇で、勅撰集『風雅和歌集』の実質的な撰者。同集は、叙景歌に独創的な境地を開拓した、京極派の勅撰和歌集である。この歌は、南北朝の戦乱の中、つかの間平穏な時期であった貞和2(1346)年に詠まれた。


選・文=渡部泰明(日本文学研究者)

7月7日の七夕の夜。空では牽牛・織女が逢瀬を遂げる(星合)が、地上でも、内裏や貴族の屋敷で乞巧奠(きっこうでん)が行われた。南北朝時代の天皇であった光厳院の和歌だから、自ら体験した清涼殿(せいりょうでん)での記憶がもとになっているだろう。一晩中灯火をともし捧げ物をして祀る行事である。

7日の夜の、まるで舟のような半月は夜半に沈む。闇の中、ゆらりと灯火が揺らめいた。秋風だ。身には感じられない7月初秋の秋風を、つまり秋の到来を、知ることとなった。歌からは、比類なく鋭敏な魂がうかがえる。

イラスト/髙安恭ノ介

イラスト/髙安恭ノ介

国文学資料館館長の渡部泰明先生の朗読と解説を音声でお楽しみください!

こちらからご視聴いただけます>>

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『家庭画報』2023年7月号掲載。 この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。

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