ザマナ ヴィレッジ（高知・足摺岬）

大型プールを改装してつくったレストラン「アズリッシモ」のテラス。コンサートや花火大会、結婚式も行える。夕焼けに染まる空のもと、グラスを傾けるひとときは格別だ。

手つかずの大自然に抱かれた地方創生リゾート

高知龍馬空港から車で3時間弱。「ザマナ ヴィレッジ」は決してアクセスがよいとはいえない四国最南端の土佐清水市にあります。「だからこそ、大きな“狼煙（のろし）”を上げなければと思い、このデッキをつくったんです」。そう話すのは、オーナーの高野由之さん。

足摺岬の大自然にひと目惚れしたことから老舗旅館を引き継ぎ、日本を代表するリゾートへと生まれ変わらせるべく、2022年からリニューアルを重ね、注目を集めています。高野さんを突き動かしているのは、「この美しい景色を世界中の人に見てほしい」という情熱。

同時に、地域を活性化したいとの思いから、地元の企業やアーティスト、学生らと積極的に交流しています。現在、全室オーシャンビューの客室が順次改装されているほか、2024年度には一棟貸しのヴィラのオープンやヘリポートの建設も予定。足摺岬という立地を生かしつつ発展を続ける「ザマナヴィレッジ」は、日本の新しい地方創生のモデルといえそうです。



左・土佐名物、かつおの藁焼き。厚切りにした身はたっぷりの薬味と土佐の塩でいただく。右・和食会場のライブキッチンにはホテルには珍しい藁焼き用のブースがあり、料理人がかつおを焼く様子を間近で見られる。

碧い海と岩壁がつくり出す絶景と土佐の魚介を満喫

空高く舞うとんびが見下ろすのは、地球が歳月をかけてつくり上げた荒々しい岩山と碧く透き通った海。敷地内に残る手つかずの大自然は息をのむほどダイナミック。

リゾート内の散策路から雄大な景色を眺めたり、“秘密の入り江”に時折姿を見せるウミガメを探したり、近隣のビーチでマリンスポーツに興じたり。

滞在中の楽しみはいろいろありますが、ここならではのアクティビティといえば、タイでおなじみの乗り物“トゥクトゥク”で周遊する観光ツアーでしょう。スタッフが運転手兼ガイドとなって巡る1時間のコースは、足摺岬展望台や灯台、金剛福寺などの名所はもちろん、穴場スポットにも案内してもらうことが可能です。1日3組限定なので、希望する場合は早めにご予約を。

左・開放感と疾走感が味わえるトゥクトゥク。右・“秘密の入り江”にはかんぱちやはたが釣れるスポットも。ただし、足場の悪い場所を通るので、希望者はスタッフにご相談を。

左・イタリアから輸入したピザ窯で焼く本格ナポリピザは絶品。右・新鮮な地魚が味わえる「アズリッシモ」自慢の料理。右から、石垣鯛と真鯛、かつおのカルパッチョ、れんこ鯛のアクアパッツァ、かつお入りのピザ・プッタネスカ。

3月に改装オープンした「ザマナスイートルーム」。水蒸気が炎のようにゆらめく電気暖炉も魅力。

夜は満天の星が眺められるテラスの露天風呂。左の湯船は水風呂。



スイート内のサウナルームと、トルコ式スチームバス専用ベッド（写真奥）。後者は香り高いハーブの蒸気で全身が温められ、疲れが吹き飛ぶ。