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淡い青紫の花色に心も癒やされる。イングリッシュガーデンの定番花「ネペタ」

2023.06.14

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

ネペタ


ネペタ
淡い青紫の小さな花が、細い茎にたくさんついて咲きます。透き通るような花色がとても爽やか。

■属科・タイプ:シソ科の宿根草
■花期:4月〜10月

■草丈:20〜80cm

淡い青紫の花色に目の疲れだけでなく心も癒やされます


サルビアなどシソ科には花穂を立ち上げて咲く花が多くあります。その1本だけを見ると、インパクトがあるわけではないのですが、群生させるとそれは美しい景色を生み出してくれます。

そんなシソ科の宿根草で、イングリッシュガーデンの定番花がネペタです。庭づくりで利用されるのはファーセニー種で、キャットミントの別名でも知られます。花は小さく、花穂1本だけを見るとサルビアよりさらにインパクトが弱いのですが、ひと株に何本も花穂を立ち上げて咲き、満開になるとふんわりとした株姿になります。

軽やかなボリューム感が出たネペタの透き通るようなブルー系の花色のなんとすがすがしいこと!地味ともいえる花が、イギリスでも日本でも庭づくりでよく利用されるのは、この花色が生み出す気持ちのよい景色をお客さまに見てもらいたい、というガーデナーさんの思いからなのだと思います。

ネペタ
故ダイアナ元妃のお住まいだったケンジントンパレスに隣接するケンジントンガーデンズのボーダーで、ネペタの園芸品種で大きな花穂をつける‘シックスヒルズジャイアント’が咲いていました。大株に育ち、何本も花穂を立ち上げる姿は圧巻の美しさ。

もちろん、花壇をデザインするうえでも、株姿が乱れにくく、花穂が揃って咲くネペタの姿は魅力的で、蒸れは多少苦手ながら、耐寒性、耐暑性の強い丈夫な性質であることから安心して使えるのだと思います。この時期に淡い青紫の花穂を立ち上げるといえば、ラベンダーが思い浮かびますが、ネペタはラベンダーほど花茎のラインが直線的ではないので、どこか優しい雰囲気があるのも魅力だと思います。

また、ネペタはミツバチが好む蜜源植物でもあります。鎌倉にあるガーデンを訪ねたとき、日本では珍しいナミルリモンハナバチ、通称ブルービーが飛んでいるのを見かけました。

からだが黒とブルーの縞模様になっているとても美しいハチです。そっと観察していると、ネペタの株を次から次へと移って蜜を採集しているのがわかりました。ガーデンのスタッフに確認すると、いつもネペタの周辺を飛んでいるのだそうです。

もし散歩道でネペタを見かけたら、周囲にブルービーが飛んでいないかチェックしてみてください。滅多に会えないことから、ラッキーをもたらすといわれているハチですよ。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たり、風通しがともによく、水はけのよい土壌に植えます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷり水やりしたら、その後の水やりは雨まかせでかまいません。蒸れがやや苦手なので、多湿にならないように気をつけます。花穂全体が咲き終わったら、花茎の根元から摘み取ります。晩秋に地際から5cmくらいに刈り込んでおきます。翌年以降は、3月に緩効性肥料を施しますが、養分が豊富な花壇であれば施肥はしなくてもかまいません。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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