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【松岡修造の健康画報】幸せな最期とはどういうものでしょうか?緩和ケア医 山崎章郎先生に聞く

2023.05.19

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松岡修造の人生百年時代の“健やかに生きる”を応援する「健康画報」 外科医だった1990年に著書『病院で死ぬということ』を発表し、ターミナルケア(終末期医療)の必要性を強く世に訴えた山崎章郎(ふみお)先生。4年前にステージ4のがん患者になってからも、在宅緩和ケアの医師として診療を続けています。自らの信念や活動について語る様子はステージ4のイメージを覆すほどエネルギッシュで、松岡さんも感じ入っていました。前回の記事はこちら>>
健康画報

山崎章郎先生が名誉院長を務めるクリニックは複数の施設からなる「ケアタウン小平」にあります。敷地内にはフットサルコートも。

緩和ケア医、ケアタウン小平クリニック名誉院長 山崎章郎先生


山崎章郎先生


1時間半以上、ほぼノンストップで話してくださった山崎先生。

山崎章郎先生(やまざき・ふみお)
1947年福島県生まれ。1975年千葉大学医学部卒業。千葉大学病院第一外科、国保八日市場(現・匝瑳)市民病院消化器科医長、聖ヨハネ会桜町病院ホスピス科部長等を経て、2005年在宅緩和ケア専門の「ケアタウン小平クリニック」開設。2022年6月に医療法人社団悠翔会に経営を引き継ぎ、現在は名誉院長。「認定NPO法人コミュニティケアリンク東京」理事長。『ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み』など著書多数。

松岡 先生は日本における緩和ケアの第一人者であると同時に、現在はステージ4のがん患者でもいらっしゃいます。ご自分のがんをどのようにとらえていらっしゃいますか。

山崎 がんになるのは宿命だと思っていました。

松岡 宿命ですか。

山崎 これまで約30年間で2500人以上のがん患者さんたちを見送ってきて、「みなさんの苦悩を私は本当に理解できているのか?」という疑念がありました。ステージ4といわれたときは、これでやっと患者さんの思いがわかる、自分たちの取り組みを確認できると思ったんです。それで私は今、ステージ4なわけですが、そんなに具合悪そうに見えないですよね?

松岡 間違いなく見えないです。

松岡さん

1時間半以上、ほぼノンストップで話してくださった山崎先生のそのタフさには松岡さんも脱帽。「先生がお疲れにならないよう短めのインタビューにするつもりでしたが、杞憂でした」。

ステージ4の患者に抗がん剤治療以外の選択を


山崎 ステージ4はがんの最終段階ではあるんですが、私のようにがんが小さければ、一定期間は普通の生活が可能なんです。私は2018年11月に手術で大腸がんを取ってもらった後、再発予防の目的で半年間、抗がん剤の治療を受けました。

受けなくてもいいかなと思ったのですが、この治療で苦しむ人をいっぱい見てきたので、自分も試すべきだと考えたのです。そうしたら、副作用が半端じゃなく苦しくて、仕事にも支障をきたすほどで。途中ギブアップして1か月休ませてもらったのですが、何とか終えて経過を見たら、肺に複数の転移が見つかり、ステージ4と診断されました。

ドクターは当然のように「次の段階の抗がん剤治療をしましょう」といいましたが、私はすぐには返事ができなかった。数か月か数年、延命されたとしても、副作用との闘いで終わってしまうかもしれない。それで自分らしく生きることができるのだろうかと考えたのです。誤解してほしくないのですが、抗がん剤治療を否定するわけではありません。副作用がひどくないかたもいますし、お子さんのために少しでも長く生きたいから、たとえつらくても抗がん剤治療を受けるというかたもいるでしょう。

松岡 先生の場合は、お仕事を続けるためにも、抗がん剤治療を受けない選択をされたということですね。

山崎 ええ。その結果、今まで見落としていたことに気づくことができました。ステージ4の固形がん(大腸がんなどかたまりを作るがん)の標準治療は治癒ではなく延命目的の抗がん剤治療になりますが、それを断ってしまうと、医者が提案できる治療は基本的にありません。病状が悪化して緩和ケアへ行くまでの間、今の自分のような人間を適切にサポートする医療がないのです。なぜそこに目を向けてこなかったのかと、自分の怠慢を悔やみました。

松岡 そんな! 先生の怠慢というわけではありません。

山崎 世の中にはさまざまな民間療法、代替療法といわれるものがあり、患者は翻弄されます。医師であり患者である私ができることは、抗がん剤治療以外で、一定のエビデンスのある治療方法を探すことだと考えました。自分で試してみて、これはと思ったものを組み合わせて、現在、臨床試験中(*)です。

臨床試験というのはなかなか大変で、個人のクリニックでするのは難しいのですが、幸い、以前勤務していた聖ヨハネ会桜町病院が引き受けてくださり、資金面については日本財団から助成金をいただけることになり、実現しました。私の取り組みは、がんを消そうとするのではなく、大きくならないようにするもの。抗がん剤治療のような苦しみのない状態で、がんと共存しながら、人生の残り時間を自分らしく生きるのが最大の目的の共存療法です。

*臨床試験参加は締め切られました

松岡 素晴らしい取り組みですね。成功を祈っております。
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