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明治時代以降の重要文化財揃い踏み。「重要文化財の秘密」展、東京国立近代美術館で開催中

2023.04.26

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〔今月の美術〕東京国立近代美術館70周年記念展
重要文化財の秘密

黒田清輝《湖畔》黒田清輝《湖畔》 重要文化財 1897(明治30)年 東京国立博物館蔵 ~2023年5月14日

“「問題作」が「傑作」になるまで”という刺激的なキャッチコピーが目を引く展覧会が、東京国立近代美術館で開催中だ。副館長の大谷省吾さんに話を伺った。

「明治時代以降の近代美術は、既成概念を打ち破る新しい表現を生み出そうと展開しました。そのため、発表当時には斬新すぎて酷評された作品も少なくありません。しかし、だからこそ後に高く評価されることもあります。


本展も、単に“重要文化財=名品”とするのではなく、発表当時の評価からの変遷と重要文化財指定の理由に焦点を当てました。西洋美術の影響と古美術の価値観のせめぎ合いの中で生み出された美意識、評価がいまだ現在進行形であることに興味を持っていただけると嬉しいです。

ただし、作品のご所蔵者のなかには、コピーに抵抗を感じられるかたもいらっしゃいました。そのお気持ちもよくわかります」

高橋由一《鮭》高橋由一《鮭》 重要文化財 1877(明治10)年頃 東京藝術大学蔵 通期展示

岸田劉生《麗子微笑》岸田劉生《麗子微笑》 重要文化財 1921(大正10)年 東京国立博物館蔵 ~2023年5月14日 Image:TNM Image Archives

評価の変遷が特に激しかった作品は?

「原田直次郎の《騎龍観音》です。彼は、ドイツで西洋の油絵技法を学び、宗教画や歴史画が最も上等な絵画だという価値観をも身につけ、その成果を仏教的な主題で示しましたが、陰影をつけて立体的に描き出した観音像は、戸惑いをもって受け止められました。

しかし明治時代に西洋文化の概念を日本へと取り入れるための模索を物語る重要な作例として、わりと最近の2007年に重要文化財に指定されています」

騎龍観音原田直次郎《騎龍観音》 重要文化財 1890(明治23)年 護國寺蔵(東京国立近代美術館寄託) 通期展示

どの作品も、生み出された当時は現代アートなのだと気づかせてくれる展覧会だ。

東京国立近代美術館70周年記念展 重要文化財の秘密

東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
〜2023年5月14日まで
休館日:月曜(ただし5月1日、8日は開館)
開館時間:9時30分~17時(金曜・土曜は20時)
観覧料:一般1800円ほか
TEL:050(5541)8600(ハローダイヤル)
URL:https://jubun2023.jp
※入館は閉館30分前まで
表示価格はすべて税込みです。
構成・文/安藤菜穂子

『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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