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浦井健治さんが語る、傑作ミュージカル『アルジャーノンに花束を』の魅力

2023.04.21

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〔今月のミュージカル・演劇〕

人とのつながりの大切さを


浦井健治さん

初演の『アルジャーノンに花束を』は、初めて主演を演らせていただいた作品であり、オリジナルのミュージカルに初めて携わる機会をいただいた作品でもあります。創作の過程は、今思い返しても素敵な時間だったと思います。

稽古場にはできたばかりの楽曲が送られてきて、少しずつ曲が増えて段々と形になっていく状況には、創作というものの凄みと熱量の多さや大変さを肌で感じました。このときの学びは役者としてのバイブルのような大きな財産となりました。


芝居の部分では表面的にも内面的にもそれぞれの思いを一貫して表現していますが、斉藤恒芳さんの楽曲が抑揚や広がりを持たせてくれます。

チャーリイは手術を受けて天才に変貌しますが、その変化もお客さまに音楽によって届きやすく、演じ手としても助けられました。

進化と退化、そして死にゆく様といった生きる上で感じるであろうことが、音楽を通すと、まるで目の前で起こった出来事のように感じ取っていただけるのがミュージカルの醍醐味だと思います。

チャーリイ・ゴードンは人とつながっていたいと思い続けた人。人は1人では生きていけないことを最初から悟っていた。

そこに辿り着けるよう、芝居による表現の仕方はもちろん、歌での表現、そして声の使い方などを学ばせていただくうちに、共感できるところも発見しましたし、また親から“あんたなんか生まれてこなければよかったのに”と悲しいことをいわれても、家族を崩壊させたのは自分という存在のせいだと思うほど人を思いやる純粋で、強い人です。

作中で人間の愚かさがあぶり出されていくなかで、ピュアに生き抜くことの大切さを希望という花束を贈るような気持ちでお届けします。

浦井健治

主演のチャーリイ・ゴードン役を演じる。2006年2月の初演で第31回菊田一夫演劇賞、2014年の再演の際にも第22回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞した。

ミュージカル『アルジャーノンに花束を』


『アルジャーノンに花束を』

1959年に発表された作家ダニエル・キイスの同名小説を原作にしたミュージカルとして2006年に日本初演を果たす。2014年、2017年、2020年と再演を重ね、今回は初演でチャーリイ・ゴードンを演じた浦井健治が6年ぶりに主演を務める。

幼児なみしかない知能を持つ32歳のパン屋の店員に大学の先生から頭をよくしてくれるという夢のような話が舞い込むのだが……。出演は浦井健治、東山義久、北翔海莉ほか。

日本青年館ホール
2023年4月27日~5月7日
S席1万3000円(全席指定)ほか
Mitt 電話:03(6265)3201(平日12時~17時)
URL:https://www.algernon-musical.com/
※大阪公演あり
表示価格はすべて税込みです。
撮影/岡積千可 構成・文/山下シオン

『家庭画報』2023年5月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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