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咲き誇る「オオデマリ」に感嘆!英名はジャパニーズ・スノーボール

2023.05.12

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

オオデマリ


オオデマリ
友人宅で咲いていた淡いピンクがかわいらしいオオデマリ。基本種は白花ですが、ピンクの品種も数種あり、とても人気があります。これは咲き始めは濃いピンクで、徐々に淡くなって白に近づくそうです。

■属科・タイプ:レンプクソウ科の落葉低木
■花期:5月中旬〜6月上旬

手まり状の花房が数え切れないほど咲く姿に感嘆!


手まり状の花が大好きな私としては、アジサイの季節が来る前にもう一つ、ご紹介しておきたいのがオオデマリです。日本に自生するヤブデマリの萼がすべて装飾花となったのがオオデマリで、ビバーナムの仲間です。

5月中旬に栃木県の那須高原で暮らす友人を訪ねたときのことです。家のすぐ前の道の両脇に、白い花、淡いピンクの花をつけた花木が点々と続いていました。

よく見るとそれらはいずれもオオデマリで、まるで1家に1本オオデマリを植えているかのような景色に驚きました。

友人に話すと、彼女もそこに越して来たときに、どの家でもオオデマリが咲いていることにびっくりしたそうです。この土地の涼しい気候がオオデマリの栽培に適しているのだと思います。

そして、彼女が暮らす家にも、越してくる前から大きなオオデマリが植わっていたとのこと。庭に案内してもらうと、そこには今まで見たことがないほど、花房をたくさんつけたオオデマリが美しい姿で立ち並んでいました。

「まるでオオデマリの園!」と何度も感嘆し、離れて全景を見たり、近寄って花房を見つめたり…。ボール状の花房に囲まれ、とても幸せな気持ちになりました。

オオデマリ
こんなにたくさん花房をつければ、その重みで枝垂れるのも納得。白花のオオデマリは清楚でロマンチックな雰囲気です。

イギリスではオオデマリのことをジャパニーズ・スノーボールと呼びますが、スノーボールといえば、初夏の切り花で人気のある枝ものですよね。

スノーボールもビバーナムの仲間ですが、オオデマリとは別の種類で、セイヨウテマリカンボクの和名があります。友人宅にもスノーボールがありましたが、比べてみると葉の形がオオデマリとは異なります。

オオデマリはふっくらした楕円形で、スノーボールは切り込みが入って3つ、もしくは5つに裂けています。同じビバーナムで花だけ見ると区別がつかないほど似ているのに、葉の形が全然違うというのも不思議な気がしました。

この時期の散歩道で手まり状の花房をつけた花木を見かけたら、葉をチェックしてどちらなのか確認してみてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。植えつけ時に元肥を施し、たっぷり水やりし、幼木のうちは土壌が乾いたら水やりします。成木になったら雨まかせでかまいませんが、夏場に極端に乾燥するときには朝か夕方に水やりします。花後すぐに、長く伸びた枝や花がつかない古い枝を切り落とします。7月〜8月に翌年の花芽ができるので、それ以降は剪定を行わないようにします。スペースに余裕があれば、自然樹形で育てると花つきがよくなります。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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