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春の京都。生涯忘れられない桜に出会う名所5選

2018.03.07

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種類豊富なサクラを一度に観賞できる佐野藤右衛門氏の自邸の庭。美しさにため息をつくだけでなく、品種名を覚え、お気に入りのサクラを見つけ出すのも楽しい。写真協力/PIXTA

サクラを学ぶ、それが目的のお花見も記憶に残る
〜京都市右京区・「桜守」佐野藤右衛門自邸


「桜守」という仕事があることをご存じでしょうか。


京都に古くから咲くサクラを管理し、あらたに桜を増やしていく、それが桜守の仕事です。1832年から続く植藤造園の当主が、佐野藤右衛門の名を代々引き継いでその仕事を担ってきました。

祇園の夜桜として親しまれている円山公園の中央に咲く枝垂れザクラは15代藤右衛門氏が手掛けたもので、その孫にあたるのが京都府庁の枝垂れザクラだそうです。

現在の藤右衛門氏はその志を引き継いだ16代目。京都のみならず日本全国のサクラの保存活動にも力を注いでいて、『桜守のはなし』(講談社)『桜のいのち庭のこころ』(草思社)など、多くの著書でもサクラについての知識を広めていらっしゃいます。

その桜守、佐野藤右衛門氏の自邸の庭が、サクラの時期だけ無料で公開されていることは、あまり知られていないと思います。

例年では3月下旬から枝垂れザクラ、4月上旬から佐野ザクラや八重紅枝垂れザクラ、4月下旬からは里ザクラなどが、開花時期を少しずつずらして咲き出し、それぞれに異なる魅力の樹姿を楽しませてくれます。

ほかにも十六夜ザクラ、一葉ザクラ、松月、手弱女(タオヤメ)、ナデシコザクラなどがあり、これだけ多くの品種を一度に観賞できる機会はなかなかありません。

「好きな桜を植えればよいのです。それを眺めて楽しむのは次の世代」


これは佐野さんが著書の中で語っている言葉ですが、自分の楽しみのために植えるのではなく、次の世代が楽しめるようにサクラを植えるという、代々引き継がれてきた桜守の強い志が感じられ、感謝の気持ちが自然にわいてきます。

私邸のため、休憩所やトイレなどの施設はありませんが、準備をして訪ねれば、サクラに関する知識も広げることができ、サクラに対するあらたな想いも生まれてくることでしょう。「ここでサクラを見た」と自慢できる名所、それが佐野藤右衛門氏自邸の庭だと思います。

佐野藤右衛門自邸(植藤造園)


京都府京都市右京区山越中町13
アクセス 京都駅より市バス26系統で約40分。「山越」バス停下車。徒歩約10分。
入園料 無料
電話 075-871-4202
入園時間 日中の時間帯
休日 なし
http://www.uetoh.co.jp


●京都のサクラの開花時期


最後に京都のサクラの開花時期ですが、例年、早咲きの品種は3月下旬から咲き始めます。

異なる品種が次々と開花する庭では、4月の末までお花見が楽しめます。開花はその時期の天候に大きく影響されるので、ホームページなどで随時状況をご確認ください。


クリーム色地に緑色のストライプが入るモダンでさわやかな里ザクラ‘鬱金’。開花はソメイヨシノより少し遅め。写真/横田秀樹


大きな八重の花が美しく人気の高いサトザクラ‘松月’。開花はソメイヨシノより少し遅く、花の時期に葉も出始める。写真/横田秀樹

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

ガーデニングエディター
イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。現在は、種苗会社の会員向け月刊誌のほか、園芸雑誌などの編集に携わる。
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