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ヒナゲシ、コクリコ、アマポーラ……魅力的な別名でも知られる「シャーレーポピー」

2023.04.12

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

シャーレーポピー


シャーレーポピー
大きな花をふんわりと咲かせたときの、軽やかでありながら存在感ある姿に魅了されます。赤からピンクの花を集めた群生は、華やかで華麗。

■属科・タイプ:ケシ科の一年草
■花期:4月〜6月

■草丈:40〜80cm

ヒナゲシ、コクリコ、アマポーラ。魅力的な別名でも知られます


シャーレーポピーの花名は、イングランドのコーンウォール州のシャーレーという地名が由来です。そこで暮らしていた牧師が選抜を繰り返して育種し、1880年頃に広まった品種といわれています。

育種の元になったのはヨーロッパ原産のPapaver rhoeas(パパヴェル・ロエシス)。これは和名のヒナゲシのことです。現在ではヒナゲシとして流通するほとんどがシャーレーポピーです。ヒナゲシと聞くと、急に親近感がわいてきませんか?

毛むくじゃらの大きな蕾は、初めはうなだれたように下向きにつきますが、開花直前に首をすっと上げたと思ったら、からが2つに割れて花が出てきます。それが和紙をしわくちゃにしたみたいな花なのですが、開いてくるとこんなに大きくふんわりとし、圧巻の美しさを見せてくれます。切り花ではたいてい蕾の状態で出回るのも、あっという間に大きく花開くためです。

シャーレーポピー
ヒナゲシの赤花はスペインではアマポーラと呼ばれ、多くの国民に愛されています。スペインにはアマポーラが群生する名所が各地にあります。

シャーレーポピーを紹介するときには、別名について触れずにはいられません。ヒナゲシといえば、夏目漱石の著書で知られる虞美人草(ぐびじんそう)のこと。虞美人草のタイトルは知っていても、花の姿は知らなかった方も多いのではないでしょうか。また、スタジオジブリ制作のアニメ映画『コクリコ坂から』のコクリコとは、ヒナゲシのフランス名です。

そしてヒナゲシの赤花はスペインではアマポーラと呼ばれ、スペイン出身の作曲家、ホセ・ラカジェが1924年に発表した歌でもよく知られています。「アマポ〜ラ」から始まる甘く切ないメロディは皆さまよくご存じのことと思います。これほど素敵な別名で知られる花も珍しく、それはヒナゲシが世界中の多くの人に愛されている証拠だと思います。

最近ではシャーレーポピーを群生させた絶景も各地で人気となっていますが、花一つひとつを見ると、とてもしゃれた美しい色なので、散歩道で見かけたらぜひ1輪の美しさにも注目してください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

シャーレーポピーは、苗での出回りが少ないため、タネから栽培するのがおすすめです。タネまき適期は9月中旬〜10月。直根性で移植が苦手なため、スペースが空いていればじかまきにし、育苗する場合はポットまきにします。寒冷地では苗が小さいときに霜の被害に遭うことがあるので、春になってからタネまきするとよいでしょう。秋にポットまきで育てた苗は、厳寒期を避け、10月〜12月、または3月〜4月に植えつけます。日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。根が活着するまでは土が乾いたら水やりをしますが、その後は雨まかせでかまいません。花が終わったら花茎の根元からカットします。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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