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春といえばチューリップ!個性的な花形、豊富な花色を紹介しましょう

2023.03.27

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

チューリップ


チューリップ
花形の違うチューリップを上手に組み合わせると、チューリップだけでこんなに表情豊かなガーデンに。中央で目を惹くクリーム色に濃いピンクが入る八重咲きは‘シャーリーダブル’という品種です。

■属科・タイプ:ユリ科の秋植え球根
■花期:3月下旬〜5月上旬

■草丈:30〜70cm

個性的な花形、豊富な花色、チューリップは春を代表する花です


開花が早い原種系に続き、続々とチューリップが開花しています。サクラの開花も早まっていますが、チューリップも咲き出しが早くなっているようです。

チューリップは系統別に開花時期の目安が示されていて、早生種は4月上旬から、中生種は4月中旬から、晩生種は4月下旬から開花し、ほとんどの系統が5月上旬までが開花期間とされています。

ところが開花が早まっていることで、以前はゴールデンウイークにチューリップフェスタを開催していた温暖地のガーデンでは、その前にチューリップが終わってしまうため、数年前からフェスタの開催を早めたそうです。寒冷地のガーデンでさえ、ゴールデンウイークまでもたない、と嘆いていたので、観光ガーデンのチューリップを見たい場合は、早めに出かけるのがおすすめです。

チューリップ
白地にピンクのぼかしが入る‘ホーランドシック’。ユリ咲きの中ではかなりふくよかな花形で愛らしい印象です。

さて、個性的な花形が魅力の球根のなかでも、チューリップの花形のユニークさは群を抜いています。昔ながらの一重のチューリップであれば、子どもでもすぐにわかりますが、最近では八重咲きやパーロット咲き、さらには横から見ると王冠に見えるというクラウン咲きなど、花形のバリエーションがさらに豊富になっています。

それに加えて花色のバリエーションも豊富で、どれとどれを組み合わせたらよいのか迷うほどです。観光ガーデンでは、お手本となる素敵な花合わせも見られるので、お気に入りのシーンはしっかり写真を撮っておき、今年の秋の植えつけ時に真似てみるのもおすすめです。

チューリップは花後に球根を太らせてから掘り上げると、秋にその球根を再び植えつけることができます。ところが、翌年には花が小さくなることもあるので、多くの観光ガーデンでは、確実に大きな花が咲くよう、一年草扱いとしているようです。ご自宅ではぜひ球根を掘り上げてみてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

球根の植えつけ適期は10月中旬~12月上旬。日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えます。元肥を施し、球根2球分の深さに植えます。植えつけ時にたっぷり水やりしたら、雨まかせでかまいませんが、土壌がからからに乾いたときには水やりをします。球根に養分を蓄えているので、追肥の必要はありません。花が終わりに近づいたら、花弁が散る前に花のすぐ下で花茎を切り取ります。球根を掘り上げて翌年も植えたい場合は、花を最後まで咲かせておくと養分が花に使われてしまうので、早めに花を摘み取ります。葉は自然に枯れるまでそのままにし、梅雨入り前に球根を掘り上げ、しばらく風にあてて乾かします。その後、植えつけ適期まで乾燥した場所で保存します。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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