あの人に聞く、忘れられない美食体験35「著名人が愛する、あの店・この味」(後編)
前編はこちら>>世界で最も多彩な美食体験ができる日本において、今、大切なかたがたと訪ねたいレストランとは、一体どこなのか。家庭画報ゆかりの著名人が愛する味どころ、その店ならではの味を、思い出とともに教えていただきます。
著名人への質問(1)お祝いなど人生の節目に家族で訪ねた思い出の料理店、必ず召し上がる料理
(2)自分へのご褒美、あるいは元気を出したいときに出かける料理店、必ず召し上がる料理
塩沼亮潤 大阿闍梨(福聚山 慈眼寺 住職)
(1)石筵(いしむしろ)猪苗代支店/「手打ち生そば」
茅葺きの古民家で情緒溢れるおそば屋さん。その日に仕込んだ分だけの営業なのですぐに売り切れてしまいます。そば好きな亡き祖母と最後の旅行で訪れ、割り子そばを食べた記憶が懐かしく思い出されます。
福島県耶麻郡猪苗代町中小松五百刈7-1
TEL:0242(66)2866
(2)Jeenya(ジーニャ)
慈眼寺の川向かいにある田んぼに面したカフェ。お店の大きな窓から見える、四季折々の田園風景を眺めながら、秋保を訪ねてきた友人たちとランチをしたり、ふらっと行ってカフェしたりしてリラックスできる場所です。
宮城県仙台市太白区秋保町馬場字辺田86
TEL:022(797)2448
田島健夫さん(「天空の森」オーナー)
(1)焼肉 まる金
2022年に5年に1度の全国和牛能力共進会が開催され、鹿児島は日本一になった。そうか! やはり鹿児島の肉は世界に通用する品質なのだ。そう確信してからは、ますます人が驚く姿を見たくなった。
古いこんろが置かれており、座敷に着くと急須のお茶とコップ、皿と割り箸がボンッと置かれる。使えるお皿は一人にこの1つのみ。呼びベルもない。接客するお母ちゃんと肉を切るお父ちゃんの夫婦の店だが、鹿児島の肉のよさを知り尽くした人の厳選した素材がそこにはある。これからも、誰かを驚かせるために、この店に通うだろう。
鹿児島県霧島市霧島大窪385-1
TEL:0995(57)1872
(2)だいこんの花
店内には無造作に置かれた発泡スチロールの箱があり、その日仕入れた魚が入っている。何が入っているのか、宝箱を開けるような気になる。カウンターの端には甕壺がある。その中身は、継ぎ足してきた焼酎。知っている人は「それを」と甕壺焼酎を頼んでいる。刺し身、焼き物、煮魚にどれでも作ってくれるが、おやじに尋ねるとそのときいちばんおいしい方法で出してくれる。
旬のものが、その素材に合った調理で出される。食べさせたいという思いが伝わる無口なおやじの姿。このこだわりをまとった人に出会えることは少なくなってきた。だから、元気でいつまでも続けてほしい。
鹿児島県霧島市国分重久340-5
TEL:0995(45)4007
戸田 博さん(「谷松屋戸田商店」13代目)
(1)伏見町 栫山
比較的近年に出合った日本料理店。その主人の腕はかなりのレベルである。特に椀物の味にはいつも感激させられる。また、店のしつらいや料理への気配り等は忘れ去られようとしている日本の季節感の表現を再認識させてくれる。
大阪市中央区伏見町2-4-12
TEL:06(6228)3007
(2)バルバラ
洒落たレストラン。まるでパリの街並みの一角にありそうな佇まい。味はそこはかとなくうまい。あじのフリット、煮あなごにきゅうり添え、そして最後にパスタを少々。実に洒落たコンビネーション。かなり昔にイラストレーターの黒田征太郎氏に紹介してもらった。
大阪市中央区難波千日前5-30
TEL:06(6636)0315
野村潤一郎さん(スーパー獣医)
(1)東京飯店 本館
時間に追われながら体力気力勝負の仕事をしているので、エネルギー補給に気を遣います。食事に必要なことは高カロリーであること、頼んですぐ出てくること。
ここにもう20年は通っていますが、いつも個室座席でロース20人前(合計1キロ弱)を注文します。個室座敷をとるのは楽しみながら食事をする周囲の人たちを怖がらせないためです。半生肉を水を飲むように平らげた後はサッサと帰ります。
東京都練馬区高野台2-3-3
TEL:03(3904)1129
パンツェッタ・ジローラモさん(モデル)
(1)ラ・メゾン・ディセットゥドゥグレ
昨年のクリスマスも妻と過ごしました。キャビアとシャンパンが好きなので、1品と1杯だけで、一人で食べに来ることも。瀬戸内キャビアとお酒のペアリングが絶品。お料理はもちろん、ヴィンテージの内装やクリストフルのカトラリーで、とてもいいものばかり。
東京都中央区銀座8-15-5
TEL:03(6264)7234
(2)スカルペッタ/「たこのブレゼ」
落ち着いた雰囲気のメインダイニングのほか、バーやテラスも。撮影/南都礼子最近行っておいしいと思ったのがここ。ファッション関係の友達5人とゴルフコンペの後食べに行きました。大人数で行くと楽しいお店。特に「たこのブレゼ」がおいしかった。
東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー1階
TEL:03(6450)1360
宮澤奈々さん(料理研究家)
(1)ピエール・ガニェール
ANAインターコンチネンタルホテル東京の36階にあり、ロケーションも魅力的。撮影/阿部 浩20代で初めてパリに行ったときにピエール・ガニェールを訪れて、シェフの斬新なクリエーションに感動し、両親の旅行のときにも日本からファックスで予約をとってあげた思い出のレストラン。
日本にピエール・ガニェールができてからも記念日に家族で何度か伺いました。乾杯は両親がランスで訪ねたポメリーのシャンパンで。そして毎回、進化を感じる料理にも刺激を受けています。
東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京36階
TEL:03(3505)9505
(2)アマラントス
正統派のフレンチをカウンターで楽しめる。撮影/本誌・西山 航全部素晴らしくおいしく、久々にまた行きたい!!と思いました。次の自分へのご褒美にしたいレストランです。シェフのスペシャリテ スモークバターを塗ったシフォンサレは、次回もいただきたいと思っています。
東京都港区赤坂2-18-5 FUN ART AKASAKA 2階
TEL:03(5797)8585