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雑草というなかれ! 明るい赤紫の花がきれいな「ホトケノザ」を生かしてみて

2023.02.22

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

ホトケノザ


ホトケノザ
筒状で先端が開く花形がユニーク。濃淡の赤紫がしゃれた印象です。葉が段々についているのがわかりますか?

■属科・タイプ:シソ科の宿根草
■花期:2月下旬〜6月

■草丈:10〜30cm

雑草というなかれ!明るい赤紫の花はとてもきれい


2月下旬、神奈川県の観光ガーデンで久しぶりにホトケノザが咲いているのを見ました。赤紫の花が一面に咲く景色はとても美しく、ちょうど咲き出したスイセンの黄色や白との対比から、印象的なシーンが生み出されていました。

ガーデナーさんに聞くと、意図的に花合わせしたのではなく、勝手に咲いてこぼれダネで増えたそうですが、花の時期はとてもきれいで、まだ土色の地面を覆って隠してくれるので、抜かずに毎年咲かせているのだそうです。

たしかにホトケノザといえば、田んぼや畑のあぜ道などで咲く、いわゆる雑草。でも、きれいな花色を上手に利用すれば、早春のガーデンを美しく彩ってくれるのですから、雑草だからと抜いてしまうのはもったいないと感じました。

ホトケノザ=仏の座というからには、どこが仏様の座にあたるのか、気になりますよね。でも、アップでその姿を見ればすぐに気がつきます。茎を取りまくようにつく丸い葉が座面なのですね。それが何段にも重なってつく形状から三階草=サンガイグサというユニークな和名もつけられています。

ちなみに春の七草にもホトケノザがありますが、こちらはキク科の宿根草のコオニタビラコのことです。根元に出る葉=根生葉が仏様の座る蓮華台に似ていることから、かつてはホトケノザと呼ばれていました。同じ名前ですが、まったく異なる植物なので間違えないようにしてください。

ホトケノザが咲き始めたとなると、ハコベやナズナなど春の野の草がもうかわいらしい花を咲かせているかもしれません。散歩道でもぜひチェックしてみてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

日当たりのよい場所を好みますが、明るい日陰でも育ちます。植えつけ時に元肥を施せば、追肥の必要はありません。花を育てている花壇なら元肥なしでもかまいません。水やりは雨まかせでよく、土壌がからからに乾燥しているときのみたっぷり水やりします。切り戻しなどの必要はなく、とくに防寒対策をしなくても冬越しします。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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