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「迎春花」の名にふさわしい、輝くような黄色の花。「オウバイ」がもう咲いています

2023.02.16

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

オウバイ


オウバイ
枝垂れるように伸びた枝に、明るい黄色の花が並び咲く樹姿が魅力的。後ろで咲く黄色の花はナノハナ。早春に黄色の花が咲くと、景色がパーッと明るくなり、春が近づいているんだなとうれしい気持ちになります。

■属科・タイプ:モクセイ科の落葉低木
■花期:2月〜4月

「迎春花」の名にふさわしい、輝くような黄色の花


まだ最高気温が10℃以下の日が続く、東京の2月中旬。コートを着込んで散歩道を歩いていると、遠くに黄色の花が咲いているのに気がつきました。「もしかして…」と近づいてみると、もうオウバイが咲き出していました。本格的に咲くのは3月に入ってからですが、私が暮らすエリアでは、毎年この時期に花が咲いているのを見かけます。それも遠目にわかるくらいけっこう咲いています。

ウメのような花を咲かせることから黄梅と書きますが、ウメの仲間ではなくジャスミンの仲間で、中国の北部・中部が原産。江戸時代初期に渡来し、「迎春花」というとても素敵な中国名でも知られます。

ミツマタ、サンシュユ、ヒュウガミズキなど、春早くから黄色の花を咲かせる花は多くありますが、なかでもオウバイは開花が早く、この花が咲き出しているのを見かけると、春が確実に近づいていることを感じます。枝垂れるように咲く樹姿も魅力的で、個人邸の外周りの植栽でよく利用されている人気ぶりにも納得です。

そのオウバイによく似た花を咲かせることから、オウバイモドキという和名でも親しまれているのがウンナンオウバイです。こちらは中国南西部の雲南省、四川省、貴州省などが原産で、明治時代に渡来しました。オウバイもウンナンオウバイもソケイ属で、学名にはジャスミンとつきます。

ジャスミン・ヌディフロールムがオウバイ。ジャスミン・メズニーがウンナンオウバイで、ジャスミンの仲間と聞くと心地よい芳香を期待しますが、残念ながら2種とも香りはありません。

この2種は性質的にはいろいろと違いがあります。オウバイは秋になると落葉し、ウンナンオウバイは一年を通して葉が茂る常緑樹。また、同じ黄花でも、オウバイは花径2〜3cmで、ウンナンオウバイは花径4cm程度とひと回り大きいのが特徴です。散歩道で見かけたら、ウンナンオウバイかオウバイか、見分けてみてください。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★★☆☆☆

日当たりがよく、水はけのよい土壌に植えつけます。明るい日陰でも育ちますが、日なたのほうが花付きがよくなります。植えつけ時に元肥を施したら、追肥の必要はありません。翌年以降は1月〜2月に緩効性肥料を株元に施します。水やりは雨まかせでかまいませんが、極度に乾燥しているときには、株元にたっぷりやります。生育旺盛で、四方に枝を伸ばすので、毎年梅雨時に伸びすぎている枝など、樹形を乱す枝を剪定します。奥の枝は短めに、手前を長めにすると、美しく枝垂れる樹姿が楽しめます。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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