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初診・医師にはじめて会ったとき「どうしましたか?」にどう答えるか

2018.02.23

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問診に的確に応じるためのケーススタディー


【連載:お医者さまの取扱説明書】

ケース1
痛むとき何をしていましたかと聞かれたが、特に何もしていなかった


20代の頃から軽い頭痛持ちだったAさん(49歳)。ひと月ほど前から、日によっては寝込んでしまうほど痛みが強くなり、近所の内科を受診しました。


症状をひととおり話すと、医師が「痛むときあなたは何をしていましたか?」と聞いてきました。一生懸命思い出しましたが、ただ居間のソファでくつろいでテレビを見ていただけ。「いえ、特に何もしていませんでした」というと、医師は驚いたような顔で「そんなはずはないでしょう」。Aさんはどう答えたらよいかわからず、診察室に一瞬、気まずい沈黙が訪れました。

【患者の心得】
「くつろいでいた」でもよい。あなたの状況を医師は知りたい


通常の会話で「ソファでくつろいでいた」は、「何もしていなかった」に等しくても、問診では「何かをしていた」ことになり、医師はまさにその答えが欲しいのです。静かにしていたのか、運動後なのか、重い荷物を持ったときなのかで頭痛の原因が異なるからです。

また「赤ワインを飲んでいた」など一見無関係に思える話も、片頭痛を起こす要因とつながり、非常に役に立つ情報となります。あるいは、めまいの発生が「布団の中で目を開けた瞬間か、起き上がったときか」で病気の種類も治療法も異なってきます。医師はそのときのあなたの動作や状況を知りたいのです。

ケース2
「MRI検査を希望」と書いた問診票を見て、医師の機嫌が悪くなった


右手のしびれやめまいの症状が気になっているBさん(53歳)。最近、気分もふさぎ込みがちで判断力も落ち、物忘れも多くなったと感じており、重大な病気ではないかと心配で総合病院を受診しました。

問診票に症状や経過を記入しているうちに不安が募り、「脳梗塞か若年性アルツハイマーではないでしょうか。MRI検査を希望します」と書き加えました。原因を知りたいからこその正直な思いだったのですが、診察のとき問診票を見た医師がムッとした表情に……。余計なことを書いてしまったかと反省しています。

【患者の心得】
検査をするか否かは患者が決めることではない


問診票に「MRI検査を希望」と書いてあったり、初診でいきなり「CT検査をしてください」といわれたりすると、多くの医師は気分を害します。検査をするか否かは専門家である医師が決めること。患者さんのリクエストに“はい、わかりました”と応じるような簡単なものではないからです。

検査とは、ある程度診察が進み原因が絞られた時点で、必要に応じて確認のためにピンポイントで行ってこそ意味があるもの。同様に、問診票には「胸やけ」「胃もたれ」と症状を書くべきで、「食道炎」などと憶測の病名が記入してあると医師は無意識にイラッとしてしまうのです。

ケース3
体重の変化を聞かれて恥ずかしい


問診で「最近体重の変化がありましたか?」と聞かれたCさん(55歳)。躊躇しながら「……はい、食べすぎて3キロ増えました」と正直に答えると、医師が笑っています。何がおかしかったのでしょうか。

【通報者の心得】
体重の増減は大事な問診


食べすぎが原因で体重が増えたなら安心、と思ったのです。ダイエットをしていないのにやせた場合はがんや糖尿病などの可能性が考えられます。逆に要因もなく体重が増えるときは心不全などの病気のサイン。恥ずかしがらずに事実を答えてください。

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取材・文/浅原須美 撮影/八田政玄 イラストレーション/平松昭子

「家庭画報」2018年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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