松本幸四郎さん市川染五郎さん父子が振り返る2022年。17歳主演に「すでに越されました（笑）」

いつか手にする“見果てぬ夢”とは

── 父子であり、師弟であるお二人は、お互いに何を望みますか？

幸四郎　今はできないことができるようになるとか、知らないことを知っていくとか、自分にないものを身につけていく時期だと思うので、一つ一つを思いっきりやっていってほしいですね。一か月の24公演を24分の1のペース配分する必要はないと僕は思っています。100パーセントで24公演！　気合いで持たせて、不可能、無理、限界に到達するまでの領域を広げていってほしいです。

染五郎　父のことは、役者としての父とか普段の父とか、意識して分けることはありません。日常の会話の中でもお芝居について教えてくれるので、歌舞伎という存在をより身近に持ち続けられていると思います。


幸四郎　染五郎は17歳にしていきなり歌舞伎座で主演をした訳ですから、役によってはそこに出られることに意識を向けてほしいですね。ちなみに僕は17歳で主役はやっていないので、すでに越されました（笑）。