ハイクレア城に暮らす ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家の人びとのライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。水曜更新。
(今までの連載はこちら) エリザベス女王を迎える日
毎年4月、カナーヴォン家は少し緊張して1年で最も大切なパーティを開きます。それはエリザベス女王の誕生日祝いです。
2016年の4月21日に女王が90歳を迎えた際にも、ハイクレア城で前祝いをしたほど、女王と伯爵家には親密な交流があります。
それは現当主のお父様で、馬主としても名高かった故7代目伯爵が、馬好きの女王の親友だったからです。そんなご縁から、7代目伯爵は女王の競走馬の管理もおおせつかっていました。
女王は8代目伯爵が生まれた時には名づけ親になられ、教母として洗礼式に参列なさったほどです。
こうして王室とカナーヴォン家は、代々家族の延長のような付き合いを重ねてきました。
写真:代表撮影/ロイター/アフロ女王のお誕生日
ハイクレア城のあるバークシャーには、有名なニューベリー競馬場があり、毎春、女王の誕生日の頃には競馬が開催されます。もちろん女王の愛馬もこのレースに出場します。2年前の卒寿のお祝いのときには優勝の栄光も。その晩はハイクレア城でお誕生日の前祝いディナーの席につかれました。昨年4月も、女王は競馬を楽しまれた後、91歳のお誕生日もハイクレア城で過ごされました。
写真はレディ・フィオーナの愛馬「PHOEB(フィーブ)」。乗馬は英国貴族の伝統スポーツ。