「新春浅草歌舞伎」が3年ぶりに上演。尾上松也さん、中村莟玉さんにインタビュー！

写真右：尾上松也さん　写真左：中村莟玉さん

正月の浅草公会堂で花形の歌舞伎俳優たちによる「新春浅草歌舞伎」が3年ぶりに上演される。2015年の公演からメンバーを牽引してきた尾上松也さんと梅丸から名前が変わって初出演となる中村莟玉さんが『連獅子』で共演する。


まずはこれまでを振り返ってくれた。

「お芝居でとても勉強になったのは、2018年の『元禄忠臣蔵』の「御浜御殿」です。（片岡）仁左衛門のお兄さんに初めて教えていただいたのですが、とても細かく指導してくださって、感銘を受けたのを覚えています」と松也さん。

莟玉さんは「初めて参加した2013年の公演の稽古は出演者の親という親が集まって授業参観のような光景でした。僕はまだ16歳で大人の役を演った経験が少なくて大先輩たちの前ですごく緊張したことを覚えています」と語った。

尾上松也
『難有浅草開景清　岩戸の景清』の悪七兵衛景清。2022年1月、歌舞伎座　ⓒ松竹

中村莟玉
『難有浅草開景清　岩戸の景清』の千葉介常胤。2022年1月、歌舞伎座　ⓒ松竹

コロナ禍に入ってからは「新春浅草歌舞伎」は中止となった。これについて松也さんは「浅草のメンバーで歌舞伎座の一幕を任せてくださり、2度とも演目の題名に浅草の文字を入れて“新春浅草歌舞伎”を印象づけてくださったことがありがたかったです。実は僕たちの代で浅草の公演が次世代の若手につなげないのではないかと心配でした」と胸中を明かした。

そして今回の『連獅子』では松也さんが親獅子、莟玉さんが仔獅子を勤める。

血縁ではない組み合わせだが、松也さんは「僕は仔獅子を1度しか経験しておりませんで、親獅子では主に（尾上）右近くんの仔獅子と何度か演じさせていただきました。作品の情感を担っているのは親獅子で、僕自身が歳を重ねてきたことで、どこまで親の気持ちになれるかが自分でも興味があります。莟玉くんとできるのはより親の気持ちになれそうですので楽しみです」と嬉しそうに話す。

莟玉さんも「僕は『連獅子』が初役なので、子どもの頃から憧れていた役を勤めることができるのが嬉しいです。普段からよくしていただいている松也兄さんには本当の親だと思ってぶつかっていけると思います」と意気込みを語ってくれた。