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寒さの中でも花を咲かせます。鮮やかな花色と、甘い香りが魅力の「エリシマム」

2023.01.29

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365日 花散歩に出かけよう 日々、何気なく歩く道や街で出会う花や花木の名前がわかれば、もっと散歩が楽しくなります。ガーデニングエディターの高梨さゆみさんが、季節の花や花木を毎日紹介。住宅街でも見つかる身近な植物や、人気の園芸品種もピックアップ。栽培のコツも紹介します。一覧はこちら>>

エリシマム


エリシマム
ストックを華奢にしたような草姿ですが、エリシマムにはストックにはないオレンジ色の花色もあります。(写真提供/PIXTA)

■属科・タイプ:アブラナ科の一年草
■花期:11月〜翌年5月

■草丈:10〜60cm

鮮やかな花色と甘い香りが冬でも楽しめます


パンジーやビオラ、アリッサムなど寒さの中でも花を咲かせ続ける一年草は、冬の花壇に欠かせない存在です。エリシマムも満開になる春よりも、むしろ冬の間に咲くことで基調となっている花です。

鮮やかな花色が揃っているので、他の花と色合わせしやすいのも魅力です。よく利用されているのは、ニオイアラセイトウ属のケイリーという種類で、多くの園芸品種があります。そのなかに花芽が形成されるのに低温を必要としないものがあり、初秋にタネをまくと早いものでは11月くらいから花が咲き始めます。

なお、エリシマム・ケイリーは本来は宿根草ですが、日本では夏の高温多湿に耐えられないため一年草扱いとされます。

エリシマムは属名のニオイアラセイトウと呼ばれることもありますが、それを聞いて「あれ?アラセイトウってストックの和名では?」と気づいた方、すばらしい!

エリシマムは花も葉も、株姿も同じアブラナ科で異なる属のストックによく似ています。エリシマムには甘い香りがあるので、ニオイアラセイトウなのだと思いますが、「ストックもいい香りがするのにな〜」と、個人的には少し納得がいかないところもあります。

ストックは切り花でその姿をよく見かけることもあるように、茎がまっすぐ伸びてすらりとした印象ですが、エリシマムは茎が少し細く、野に咲く花のような野趣が感じられます。

また、ストックにはないオレンジ色があるのも大きな魅力だと思います。イギリスでは石垣のすき間でも育って花を咲かせることからウォールフラワーという名前でも呼ばれます。また、旧属名のチェイランサスで出回ることもあります。

栽培の難易度


栽培の難易度 ★☆☆☆☆

日当たり・風通しがよく、水はけのよい土壌に植えます。植えつけ時に元肥を施し、3月〜4月、10月〜12月に緩効性肥料を株元にまきます。地植えの場合、水やりは雨まかせでかまいません。多湿になると株が蒸れて腐りやすくなるので、鉢植えの場合は水やりしすぎないように気をつけます。終わった花がらをこまめに摘み取ると、わき芽が伸びて次々に花が咲きます。

【難易度】
★ 容易・初心者向け
★★ 標準・初級〜中級者向け
★★★ 少し難しい・中級〜上級者向け
★★★★ 難しい・上級者向け
★★★★★ 栽培環境が限られる

高梨さゆみ/Sayumi Takanashi

イギリス訪問時にガーデニングの魅力に触れて以来、雑誌や本などで家庭の小さな庭やベランダでも楽しめるガーデニングのノウハウを紹介。日本、イギリスの庭を訪ね歩くほか、植物の生産現場でも取材を重ねる。
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