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「ファッションの素晴らしさをいつも信じていたい」デザイナー森英恵さんの美学と生涯

2022.10.28

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プライベートの時間、仕事の時間の
一瞬、一瞬を生きる


世界中を飛び回る森さんのパワーの源は日々の食事だった。朝食は東京では8時半、パリでは7時半と決めていて、自分で作ったいりこと松の実をオリーブオイルで軽く炒ったカルシウムを毎朝欠かさなかった。

1996年に他界されたご主人の森 賢氏が「妻の作る料理を楽しみにしている」と周囲に漏らすほどのお料理上手でもいらっしゃった。


東京の素材展森さんは常に世界の動きに注目し、ファッショントレンドを逃さなかった。さらに東京の素材展には必ず顏を出し、新しいテキスタイルを意欲的に研究された。日本の産地の良品をご自分の作品に使い、世界にも紹介していた。(撮影/畠山直哉)

バレエオペラやバレエの衣装デザイン及び製作も多く手がけた。写真は1986年パリ・オペラ座バレエ団の公演『シンデレラ』でバレリーナのミテキ・クドーさんにフィッティングする森さん。このときは200着を超える衣装をデザインし、ハナエモリのパリのアトリエで一着平均100時間をかけて製作。2000年、14年ぶりに再上演され、再び高評価を得た。




森 英恵 年譜


●1926年
1月8日島根県に生まれる。

●1943年
東京府立第十一高等女学校卒業。東京女子大学入学。

●1948年
大学卒業の翌年に結婚。ドレスメーカー女学院に通学し洋裁を習得。

●1951年
新宿にスタジオ「ひよしや」を開店。
映画衣装の依頼を受ける。以後50年代だけで数百本の映画に携わる。

●1954年
銀座にも「ひよしや」を開店。

●1961年
初めてのパリ旅行。本場のファッションに触れる。

●1963年
「ヴィヴィド」設立。プレタポルテに進出。

●1965年
ニューヨークで初の海外コレクションを発表。

●1967年
日本航空客室乗務員の制服をデザイン。

●1975年
グレース公妃の招聘によりモナコでショーを開催。
その帰路のパリでもショーを開催。

●1977年
パリ・オートクチュール組合に加入、東洋人初の正式会員に認定される。第1回オートクチュールコレクションを発表。

●1978年
東京・表参道にハナエモリビルをオープン。

●1988年
紫綬褒章受章。
「美空ひばり不死鳥コンサート」の衣装を担当。

●1992年
バルセロナオリンピック日本選手団のユニフォームをデザイン。

●1993年
皇太子殿下ご成婚に際し、雅子妃のローブデコルテを担当。

●1996年
文化勲章受章。

●2002年
レジオンドヌール勲章オフィシエ受章。

●2020年
水戸芸術館で「森 英恵 世界にはばたく蝶」展を開催。

●2022年
8月11日老衰により他界。享年96。
撮影/小野祐次 取材・文/田島由利子

『家庭画報』2022年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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